HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 53138 Content-Type: text/html ETag: "5e482c-18f4-4dc5f91f00d28" Expires: Fri, 10 May 2013 16:35:35 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 10 May 2013 16:35:35 GMT Connection: close アジアFTA TPPと両輪で交渉力発揮を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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アジアFTA TPPと両輪で交渉力発揮を(5月11日付・読売社説)

 米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に続き、アジアで別の巨大な自由貿易圏作りが動き出した。

 日本は国益を追求するため、二つの交渉を同時に推進する戦略を強化すべきである。

 日中韓と、東南アジア諸国連合(ASEAN)、豪州、ニュージーランド、インドの16か国による包括的経済連携(RCEP)の初交渉がブルネイで始まった。

 RCEPは、アジアのほぼ全域をカバーする自由貿易協定(FTA)である。国内総生産(GDP)は計20兆ドルに達し、世界全体の3割を占める経済圏だ。

 16か国は、関税引き下げや投資障壁の削減など幅広い分野で交渉し、2015年末の妥結を目指している。中国とインドを含めたアジアFTAの意義は大きい。

 TPPに不参加の中国は、アジアの貿易ルール作りから取り残されることへの危機感が強い。RCEPに積極的に関わり、米国に対抗する狙いがうかがえる。

 原則として10年間で関税を撤廃するTPPに比べ、RCEPで求められる自由化の水準は低い。

 とは言え、構想が実現すれば、日本企業がアジアの生産拠点をつなぐサプライチェーン(供給網)を整えやすくなる。輸出拡大にもプラスで、海外需要を取り込む日本の成長戦略に弾みがつく。

 日本は関税引き下げでは、来年の前倒し合意も目指す構えだ。日本が主導し、より連携を深める自由貿易圏の実現を望みたい。

 大詰めを迎えるTPP交渉に与える好影響も期待される。

 米国など11か国はTPPの年内合意を目指して交渉中で、日本も7月ごろに交渉のテーブルに着く見通しだ。ただし、遅れて参加する日本の不利は否めない。

 コメ、麦など農産品5項目を関税撤廃の例外扱いにしたい日本には厳しい交渉が予想される。

 米国が加わらないRCEPと、中国抜きのTPPに加わる日本の立場を生かしてもらいたい。

 中国の動きを警戒する米国の譲歩を引き出したり、TPPをテコに中国の市場開放を求めたりするなど、交渉を日本ペースで進めることが重要である。

 日本の主張を反映させたルール作りに全力を挙げるべきだ。

 RCEPとTPPは、日中や米国などアジア太平洋経済協力会議(APEC)が目指すアジア太平洋自由貿易地域(FTAAP)の母体になるだろう。

 日本が今、交渉力を発揮することが将来の戦略にもつながる。

2013年5月11日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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