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日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が打ち出した「異次元」の金融緩和とこれに絡む円安ドル高の加速が焦点となったワシントンでのG20財務相・中央銀行総裁会議は、共同声明で黒田緩和について「脱デフレと[記事全文]
離婚しても、子どもとのきずなはつないでいてほしい。離婚後に子と同居する親がもう一方の親に子を会わせず、もめる例が増えている。子との面会交流を求める調停・審判の申し立ては[記事全文]
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が打ち出した「異次元」の金融緩和とこれに絡む円安ドル高の加速が焦点となったワシントンでのG20財務相・中央銀行総裁会議は、共同声明で黒田緩和について「脱デフレと内需支援のため」と一定の理解を示した。
「通貨安競争は避ける」とも言及したが、露骨な日本批判はなく、「G20が円安容認」と受け止めた市場で円が売られ、一時1ドル=100円に迫った。
元財務官の黒田氏は、国際舞台での対話力も買われて総裁に起用された。突っ込みどころに先回りして追及を封じる周到な弁舌で、まずは順当にデビュー戦を飾ったようだ。「アベノミクスは日本復活のため」という日本の公式見解に対する各国の「期待」もつないだ。
ただ、これはあくまで当面の話だ。金融緩和が実体経済の地力回復までの「時間稼ぎ」であるのと同じように、それがアベノミクスの他の政策、とりわけ財政規律の回復と構造改革による成長回復までの時間稼ぎにすぎないことも、浮き彫りになったといえる。
米国景気の回復や新興国経済の変調により、「通貨安競争」の懸念は一時より和らいだ。それでも日本の円安や財政悪化に対する各国の警戒感は根深い。
2月のモスクワ声明と同様とはいえ、国際常識ともいえる「金融政策の対象は国内経済」「国際競争のため為替相場を使わない」などの文言が日本を念頭にあえて繰り返されたこと自体が異例だ。くわえて今回は、財政規律の問題で「日本は信頼できる中期的な計画を定めるべきだ」と名指しされた。
もともとG20は9月にロシアで開く首脳会合(サミット)に向け先進国の財政健全化で新合意を目指す予定だが、「突出した政府債務を抱える日本の異次元緩和が、財政規律を緩ませないか」という、ごく自然な疑問がG20の財政論議を強く促したのは間違いない。
日本は3年前のトロントG20サミットで、あまりに借金が多い半面、増税による歳入拡大の余地も大きいことを理由に、1国だけ例外的な緩い健全化目標を認められた。消費税率を10%に上げることになっているが、それでも国際通貨基金(IMF)は「財政再建には不十分」と警告している。
より確かな財政再建の裏づけを求める世界の圧力は、今後さらに強まろう。財政規律と構造改革に先手先手を打つ覚悟が日本になければ、黒田緩和は単なる「円安誘導への方便」と世界が見なす日がいずれ来よう。
離婚しても、子どもとのきずなはつないでいてほしい。
離婚後に子と同居する親がもう一方の親に子を会わせず、もめる例が増えている。子との面会交流を求める調停・審判の申し立ては一昨年で約1万件あった。10年前の3倍以上だ。
そのようなケースで、同居の親に「制裁金」を科すことができる場合があるとの判断を、最高裁が3月に示した。
父母があらかじめ、面会の日時や子どもの引き渡し方法などを具体的に決めていたときが、対象になる。お金の支払いを命じることで、面会の実現を促すねらいがある。
とはいえ、制裁金を払って面会を拒み続けることはできる。法的な強制力は、問題の本質的な解決になりそうにない。
日本も加わる子どもの権利条約は、別居する親との交流を子の権利として認めている。
いずれの親からも愛され、関係を保っていくことで、子どもの人生は豊かさを増すはずだ。親の暴力、虐待がある場合などは別として、父母とも子育てにかかわる責任がある。
離婚後も父母が共同で子育てを担う欧米の国ぐにと異なり、日本はいずれかが親権者になる単独親権制度をとっている。
別居する親と子の面会のルールは、慰謝料や養育費などとあわせて、親の視点で決められがちだ。ときに駆け引きの条件にもなり、子どもがどう考えているかは見過ごされやすい。
11年の民法改正で、離婚にあたっては子の利益を最も優先して、面会交流などについて決めることが明記された。これに伴い、昨年4月から離婚届に、親子の面会交流や養育費について取り決めたかどうか、しるしをつける欄が設けられている。
ただし、未記入でも離婚届は受理される。昨年12月までの9カ月で、しるしが入った届け出は54%にとどまった。父母の話し合いが十分尽くされていないのではないか。そう感じさせる数字である。
一昨年の1年間に約23万人の子どもが親の離婚を経験した。離婚はときに避けられない選択肢だろうが、子にそのつけは負わせられない。
家裁の審判では、子どもの意思を把握するよう努めることが今年から義務づけられた。裁判所は子どもが親との面会をどのように考えるのか、ていねいに聞き取ってほしい。
父母の合意づくり、子どもの行き来を仲立ちする専門家の活動も少しずつ広がっている。離れることになった親子の交流を現実のものにしたい。