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来日した米国のケリー国務長官は、名前のイニシャルが「JFK」で、あのケネディ元大統領と同じである。ジョン・フォーブス・ケリー氏という。ケネディに憧れて政治家を志し、高校時代にはその選挙運動を手伝ったほどだ▼ほかにも2人は共通点が多い。たとえばケネディは太平洋戦争で、ケリー氏はベトナム戦争で、ともに海軍の小型艇長をつとめ死地を生き延びている。そんな人だから、北朝鮮の現状を、半世紀前の「危機」に重ね合わせての歴訪だったに違いない▼1962年、キューバ危機が起きた。ケネディ政権下、米ソが核戦争のボタンに指をかけた一触即発の事態だった。時代も事情もむろん違うが、核とミサイルをめぐる狂気は今、地球を半周して極東の若い独裁者に取りついている▼死命を握る米国を、振り向かせたいゆえだろう。昨日の故・金日成(キムイルソン)主席の生誕記念日にも「核武装の拡大」を強調した。世襲3代目は民衆を飢えさせて、なけなしの体力で尖(とが)る▼キューバ危機は米ソの「理性」で回避された。ケネディの弟、ロバート司法長官(当時)は、最大の教訓を「他国の靴を履いてみる、つまり相手国の立場になってみること」だと述べている。だが北の「歪(ゆが)んだ靴」は誰にも履けそうにない▼ケリー氏と同じく訪日したアウンサンスーチー氏のミャンマーは、悪名高い軍事独裁から劇的に変貌(へんぼう)した。北朝鮮に、内からの勇気を束ねる勢力はないものか。今が金王朝の「終わりの始まり」にも思われるが。