HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 67920 Content-Type: text/html ETag: "16ad9a3-30ac-399a8540" Cache-Control: max-age=4 Expires: Sun, 14 Apr 2013 00:58:05 GMT Date: Sun, 14 Apr 2013 00:58:01 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:社説

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消費増税転嫁―対策の本質を見誤るな

来春からの消費増税を控え、増税分をモノやサービスの価格に転嫁(上乗せ)していくための特別措置法案をめぐり、国会で審議が始まった。法案には、小売業者などによる消費者への宣[記事全文]

米軍と憲法―最高裁長官は何をした

戦争の放棄を定める憲法9条のもとでも米軍が駐留できる。その解釈を与えた最高裁の判決の裏に、何があったのか。半世紀前の1957年。米軍旧立川基地の拡張に反対する学生ら7人[記事全文]

消費増税転嫁―対策の本質を見誤るな

 来春からの消費増税を控え、増税分をモノやサービスの価格に転嫁(上乗せ)していくための特別措置法案をめぐり、国会で審議が始まった。

 法案には、小売業者などによる消費者への宣伝で、増税分について「還元する」「当店が負担する」といったPRを禁止する規定が盛り込まれた。

 これに大手小売りが反発し、論議を呼んでいる。

 消費増税は、増え続ける社会保障費をまかなうため、国民全体で負担を分かち合うのが趣旨だ。増税分は適正に転嫁することが求められる。

 とはいえ、民間業者の宣伝文句まで法律でしばるのは行き過ぎだろう。突き詰めれば、表現の自由にも関わる。

 政府がこの規定を設けたのは主に二つの理由からという。

 一つは、消費者の誤解を招かないためという点だ。消費税を納めるのは取引にかかわる個々の業者だが、消費税分は業者間で次々と転嫁していく。実際に負担するのは「最後の買い手」である消費者だ。

 「還元」などの宣伝では、この仕組みの例外であるかのように受け止められると、政府は懸念する。

 もう一つは、業者間の取引、とりわけ大企業が中小事業者から商品を仕入れる際に、転嫁拒否や安値での買いたたきのきっかけになりやすい、との警戒感だ。消費税率が3%から5%にあがった際には、スーパーなどが「消費税還元セール」を展開し、転嫁が浸透しなかった、という問題意識がある。

 だが、政府がとる対策は、あくまで王道を行くべきだ。

 まず、消費税の仕組みや税収の使い道などを国民に繰り返し説明し、「皆で負担し、支え合う」という趣旨を理解してもらう必要がある。

 大手による買いたたきを防ぐには、公正取引委員会を中心に監視の目を徹底することだ。特措法案は、政府をあげて態勢を整えるとうたっている。省庁間でしっかり連携してほしい。

 大手小売りをはじめ、民間業者にも注文がある。

 企業努力によって本体価格を下げれば、増税分を転嫁しても税込み価格の据え置きや引き下げは可能だ。そうした競争は当然だろう。

 ただ、その原資を確保しようと、人件費を削ったり、取引先に安値での納入を強要したりするようでは、日本経済のデフレ体質を強めるだけだ。

 自らの体力をすり減らすのではなく、売り上げ増への創意工夫をこそ競ってほしい。

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米軍と憲法―最高裁長官は何をした

 戦争の放棄を定める憲法9条のもとでも米軍が駐留できる。その解釈を与えた最高裁の判決の裏に、何があったのか。

 半世紀前の1957年。米軍旧立川基地の拡張に反対する学生ら7人が基地内に入り、日米安保条約にもとづく刑事特別法違反に問われた。「砂川事件」である。

 東京地裁は59年3月に、米軍駐留は憲法9条に違反するとして7人に無罪を言い渡した。

 判決が確定すれば、米軍を取り巻く状況は一変する。審理は高裁をとばして最高裁にまわった。交渉中の安保条約改定を前にこの裁判はいつ、どう決着するか。日米両政府は注視した。

 このときの駐日米大使マッカーサー2世から米政府にあてた公電を米公文書館が公開した。

 当時の田中耕太郎最高裁長官と大使ら米外交官との、非公式なやりとりを伝えている。

 公電によると長官は、米側に判決の時期と、世論を割りかねない少数意見を避け、15判事の全員一致で判決したいという考えなどを伝えたという。

 憲法上の争点を地裁判事が判断したのは不適切だった、との発言も引用されている。米大使は自らの印象として「長官は地裁判決は覆されるだろうと思っている」と記した。

 その言葉どおり、最高裁は12月に地裁判決を全員一致で覆した。翌日の公電は「全員一致の判決は、裁判長の手腕と政治力に負うところがすこぶる大きい」と長官をたたえた。

 忘れてはいけないのが、この最高裁判決の重みだ。

 日米安保条約のような高度に政治的な問題に司法判断を下さないという「統治行為論」を示し、その後の在日米軍がからむ訴訟で用いられ、いまも拘束力をもち続けている。

 外交公電がつねに正しいとは限らない。発した側の外交官に都合のよい記載になっていると疑われる場合もある。

 だが一国の司法の長が裁判の利害関係者と会い、判決の行方をほのめかしたという記録は、放っておけない。

 司法の独立は守られたか。

 評議は適切に行われたのか。

 田中長官は74年に亡くなっている。それでも、当時の行動や発言の記録の開示を、市民団体が最高裁に求めている。もっともな要請だ。

 すでに公開された公文書は、上訴や立証の方法に至るまで、外務省と米側が密接にやりとりしていたことも伝える。

 戦後史をつらぬく司法の正統性の問題だ。最高裁と政府は疑念にこたえなくてはならない。

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