HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 28 Mar 2013 01:21:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: <一めんの花は碁盤の上野山黒門前にかかるしら雲>。江戸の…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 <一めんの花は碁盤の上野山黒門前にかかるしら雲>。江戸の狂歌師蜀山人(大田南畝)の歌碑が東京・上野公園にある。蜀山人研究家でもある落語家春風亭栄枝さんが教えてくださった▼上野の山は徳川家の菩提(ぼだい)寺である寛永寺の境内だった。幕末、立てこもった彰義隊を官軍が攻撃し主な伽藍(がらん)が焼け落ち、明治政府がその一帯を日本初の公園に指定した▼歌碑は、黒く塗られていた寛永寺の総門(通称・黒門)が移築された跡に、昭和十三年になって建てられたという。上野の山は江戸時代から桜の名所だった。ただし、将軍家の信仰篤(あつ)い寺の境内である。酒は許されても、魚を食べることや三味線や踊りは禁止だった▼午後六時ごろには敷物が回収されて門が閉ざされるので夜桜は楽しめなかった。それでも江戸っ子が繰り出したのは蜀山人が「しら雲」と詠むほど桜が見事だったからだろう▼東京の桜はきのう、冷たい風雨に散らされたが、銀座には寒さを吹き飛ばす熱気があった。歌舞伎座の再開場を記念し市川染五郎さんや市川海老蔵さんら六十三人の歌舞伎俳優が練り歩いた。屋号の掛け声が飛び交い、役者の華に花冷えも引っ込んだ。来月二日の開場が楽しみである▼ところで、きのうの小欄で中労委と書くべきところを府労委と間違えました。訂正して、指摘していただいた読者に深く感謝申し上げます。

 

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