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心臓が強いなと感心する。一票の格差をめぐる違憲判決が相次ぎ、国会議員も少しは神妙にするのかと思いきや、おとなしい人ばかりではなかった。裁判所に真っ向からかみつく猛者もいた▼自民党のベテラン中谷元氏が、先週の衆院憲法審査会で主張した。「国会が決めた選挙のあり方について、違憲とか無効とか、司法が判定する権利が、三権分立上許されるものか疑問だ。立法府への侵害だ」。続けて、最高裁の判断がおかしい時にはおかしいと言うために国会の中に審判所なりを設けよ、とも述べた▼国会のつくった法律が憲法にかなっているか否か、最高裁があとから吟味して決める権限を違憲審査権という。それで争いを一件落着とする仕組みだが、いや、もう一度蒸し返させろというわけなのだろう▼お山の大将はこっちだぞと、駄々をこねている感なきにしもあらず。「国権の最高機関」に属する選良たちは誇りが高い。国民から直接選ばれているわれわれは、裁判官や官僚とは違う。それはその通りなのだが、その選ばれ方が問われている▼司法も行政もそこのけそこのけ、といわんばかりの議論は以前からあった。国会のやったことを裁判所が憲法違反だというなら、憲法の方を変えてしまえばいい。そのためにも96条の定める改憲のハードルを下げなければならない、というように▼そんな乱暴な発想も、96条改正論の底には隠れている。権力分立や「法の支配」といった憲法の根幹が損なわれかねない話である。