HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52068 Content-Type: text/html ETag: "5e4685-1859-4d8adf767eade" Expires: Sun, 24 Mar 2013 22:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 24 Mar 2013 22:21:09 GMT Connection: close 都市の鉄道網 相互乗り入れで沿線活気づく : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

都市の鉄道網 相互乗り入れで沿線活気づく(3月25日付・読売社説)

 首都圏に新たな鉄道ネットワークが誕生した。従来にない人の流れを取り込めば、観光振興や商機拡大など経済の活性化につながろう。

 東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が始まった。

 東武、西武、メトロ、東急、横浜高速の鉄道5社が接続し、埼玉県西部から横浜市まで最長88・6キロを乗り換えなしで結ぶ異例の取り組みである。

 埼玉県内と横浜市内では、商店街の営業時間延長や観光施設との連携など、遠方からの客を呼び込むPR合戦が熱を帯びている。

 途中の渋谷、新宿、池袋各駅の百貨店なども集客を競う。沿線が活気づく直通効果と言えよう。

 日本の大都市は広範囲に鉄道網が整備され、膨大な通勤、通学輸送を担っている。年間の利用客数は東京圏130億人、大阪圏45億人、名古屋圏10億人に上る。

 東京では通勤する人の鉄道利用率は7割超で、約4〜5割のニューヨークやロンドンを上回る。

 都市鉄道の発展に貢献してきたのが、都心の地下鉄と郊外電車が乗り入れる直通運転である。

 1970年に155キロだった東京圏の直通運転区間は、今回を含めると900キロを超え、総延長の4割に達する。

 少子高齢化で乗客数の拡大が見込めず、新規路線への投資は難しい鉄道各社が、直通運転に活路を求めたという事情があろう。

 既存路線を活用する直通運転なら、乗り換えの不便を解消した時間短縮が可能なうえ、新規乗客の流入が見込めるからだ。

 ターミナル駅の混雑緩和や鉄道運行の効率化、沿線価値の向上というメリットも期待できる。

 首都圏だけでなく、大阪圏など他地域にも参考となるだろう。

 ただし、懸念材料もある。

 最近の直通運転は、車両の異なる複数の鉄道会社が乗り入れ、走行距離が長い。いったん事故や車両故障が起きれば、乗り入れ他社の路線まで電車の遅延が玉突きで広がりかねない。

 国土交通省によると、首都圏の鉄道で発生した30分未満の遅れのうち、約4割が乗り入れ先でのトラブルが原因だった。

 事故や故障の際、ダイヤの乱れは最小限に抑えてもらいたい。

 折り返し運転が可能な区間の拡大が求められよう。利用客への迅速な情報提供も必要だ。

 乗客の転落を防止するホームドア設置も検討課題だ。鉄道各社は扉の数や幅が違う車両に対応できる技術開発を急いでほしい。

2013年3月25日01時12分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です