HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 18 Mar 2013 21:21:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:自民党大会 おごらず、事を焦らず:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

自民党大会 おごらず、事を焦らず

 政権復帰後初の党大会で、夏の参院選勝利を誓った自民党。先の衆院選では大勝したが、信頼回復への道は半ばだ。おごらず、国民生活をよくする政策の実現こそが使命だと肝に銘じるべきである。

 国会が衆参「ねじれ」状態のままでは、政権奪還は完成に至っていないということなのだろう。

 党大会に引き続き行われた参院選必勝決起大会で、安倍晋三総裁(首相)は「決して慢心してはいけない。この(衆院選大勝という)結果は、民主党よりはましだと国民が判断したにすぎない。自民党に完全に信頼が戻ったわけではない」と力説した。

 正しい認識だろう。自民党が先の衆院選で得た票数は小選挙区、比例代表ともに、民主党に惨敗を喫した二〇〇九年衆院選をも下回った。投票率が約10ポイント低下した背景はあるにせよ、自民党が信頼を回復したとは言えない状況だ。

 消費税増税をしないという公約を破り、国民から見放された前政権がどんな運命をたどったのか、安倍氏ら政権や党の幹部の目には焼き付いているに違いない。

 発足後約三カ月がたつ安倍政権は、滑り出しは順調のようだ。共同通信の世論調査では、内閣支持率は70%台に達する。円安と株高で、経済は復調傾向にある。

 とはいえ順調な安倍内閣を支えるのは今のところ「期待」だ。

 安倍首相が強い経済に向けて掲げた大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という「三本の矢」の中で、実質的に放たれたものはない。

 日銀が金融の「無制限緩和」を始めるのは来年一月。一三年度予算もいまだ成立していない。議論が始まった成長戦略も、具体策の取りまとめは、まだ先だ。

 三本の矢が放たれたとしても、効果が乏しければ期待は失望に変わることも忘れてはなるまい。

 それ以外にも懸案山積だ。政府は今秋に消費税増税を最終決断するが、一体だったはずの社会保障制度改革の論議は進んでいない。

 危機的な財政状況にもかかわらず、政府と国会の無駄削減に向けた取り組みも十分とは言えない。

 こうした懸案を脇に置き、憲法改正など「安倍カラー」の実現を急ぐようなら信頼は得られまい。

 公明党の山口那津男代表は来賓あいさつで「政権運営は順風満帆だが、おごり高ぶってはならず、事を焦ってもいけない」とクギを刺した。友党の指摘は重い。今こそ、かみしめなければならない。

 

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