HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 16 Mar 2013 21:21:08 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:日銀新体制 求められるのは結果だ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

日銀新体制 求められるのは結果だ

 安倍政権が掲げるアベノミクス政策でカギを握る日銀正副総裁人事が正式に決まった。日銀の新体制に課せられるのは、デフレ脱却につながる金融政策の大転換であり、「結果」を出すことである。

 政府が国会に提案したのは総裁に黒田東彦(はるひこ)アジア開発銀行総裁、副総裁に岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事を充てる人事だった。野党の対応次第では五年前のように空白期間が生まれ、市場に動揺を与えるような事態も懸念されたが、速やかに同意されたことは歓迎できる。

 新体制は二十日に発足する。黒田氏は国会の所信聴取で「(大胆な金融緩和に向けて)やれることは何でもやる」「物価安定目標2%は二年程度で達成できる」と表明してきた。そのためには、期待先行で進んできた円安・株高の流れを途絶えさせぬよう来月三日の政策決定会合を前倒し開催することも含め、できるだけ早期に、かつ大胆に金融政策転換の具体策を打ち出すことが大事である。

 黒田日銀が目指している緩やかなインフレ目標政策のシナリオはこうだ。2%の物価安定目標の達成を固く約束し、実現するまでお金を市場にどんどん供給していく。先行きデフレが終わって物価が上昇するとの予想(期待)が広がれば、消費や設備投資を早めにしようと心理が変わり、経済活動が活発化し、実際に物価が上昇するというものである。

 早くからこの政策を主張してきた岩田氏は、デフレ脱却に向けた「実験である」とも表現する。これは「できるか、できないか、やってみなければわからない」という意味ではない。

 十五年以上もデフレが続いてきた中で、このままの政策ではいつまでもデフレが続くことになる。それならリスクはあっても政策を変更し実行することの方が大事だとの主張である。これまでのデータから「二年で達成できる」との理論的な裏付けも示し、結果責任(辞職)にも踏み込んでいる。

 肝心なのは、政策に踏みだして「結果」を出すことである。従来の日銀に最も欠けていたのは、この結果と責任であり、それゆえにデフレがこれほどまでに続いてきたのではなかったか。

 アベノミクスで懸念されるリスクは金利上昇である。金利が上がれば財政赤字の一層の悪化や、債券価格の下落から国債などを大量保有する金融機関の経営悪化にも直結する。予測不能の事態にも対応できる柔軟さも問われよう。

 

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