HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 70227 Content-Type: text/html ETag: "125f965-19c0-ae1c77c0" Cache-Control: max-age=1 Expires: Mon, 04 Mar 2013 21:21:08 GMT Date: Mon, 04 Mar 2013 21:21:07 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語

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 「雪の博士」として名高い中谷宇吉郎は北海道大学で長く教え、研究を重ねた。「雪は天から送られた手紙」という詩的な言葉を残したが、手紙の届き方には様々な状態がある。北海道の荒野の吹雪の景色ほど陰惨なものはない、とも書いている▼「背の高いポプラの木が吹き折られそうに曲がり、人も馬も雪の中に埋まり、暗澹(あんたん)たる灰色の四囲(しい)の中をただ雪のみが横なぐりに吹いてほとんど水平に飛ぶ」と『雪雑記』(朝日選書)にある。2日から3日にかけて北の大地には、そんな風雪が想像を超える激しさで吹き荒れた▼馬ならぬ車が、雪の中に次々に埋まった。雪と寒さに慣れたはずの地である。しかし9人が落命した。「40年住んでいるがこんなのは初めて」という証言が、白魔のむいた牙の凶暴さを物語る▼岡田幹男さん(53)は車を捨てて道を求め、9歳の娘を抱くように力尽きた。父一人、子一人だった。小さな命のともしびは守られたが、近くの家までわずか70メートルという距離が、何ともやりきれない▼豪雪地の生活を伝える江戸期の名著「北越雪譜」に、似た話がある。夫婦が赤子を連れての道中、天候急変で猛吹雪に遭う。夫婦は死んだが子は母の懐に守られて生きていた。助けた者たちは、親子の姿に皆泣いたという▼自らの体温だけを頼みに吹雪をついた時代、雪慣れた人々も往々、白い世界で落命した。文明は進んだが、脅威はおおもとでは変わらない。天からの手紙の、指にふれる冷たさを思ってみる。

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