HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52196 Content-Type: text/html ETag: "a40a3-1877-4d7080c6d2ec1" Expires: Mon, 04 Mar 2013 01:21:07 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 04 Mar 2013 01:21:07 GMT Connection: close PM2.5対策 監視強めて正確な情報提供を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

PM2.5対策 監視強めて正確な情報提供を(3月4日付・読売社説)

 偏西風が強まるこれからの季節に、中国から飛来する大気汚染物質PM2・5の量が急増する恐れがある。環境省などは監視と被害防止に万全を期してもらいたい。

 PM2・5は直径2・5マイクロ・メートル以下の物質の総称だ。1マイクロ・メートルは1000分の1ミリにあたる。スギ花粉の約10分の1の微小粒子で、普通のマスクでは防げない。

 肺の奥まで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎、肺がんの原因になるという指摘もある。焼却炉からのばい煙や自動車の排ガスなどが発生源とされる。

 国内での発生量は排ガス規制などにより減少してきた。だが、今年に入り中国からの越境汚染が問題となり、九州など西日本を中心に住民の健康不安が高まった。

 環境省は、PM2・5の観測地点を現在の約550か所から1300か所に増やす方針だ。住民へのきめ細かい情報提供のためには必要な措置と言える。

 中国から実際にどの程度の量のPM2・5が飛来しているのか、詳しい分析も必要である。

 さらに環境省は、注意喚起が必要なPM2・5の1日平均値を「1立方メートル当たり70マイクロ・グラム超」(1マイクロ・グラムは1グラムの100万分の1)とする暫定指針を設けた。

 これに達しそうな日には、都道府県が住民に外出や室内の換気を自粛するよう呼びかける。

 暫定指針は、米国の指標や、疫学調査結果を参考に設定した。環境省の専門家会合は、指針値に達したとしても、「すべての人に必ず健康影響が生じるものではない」との見解を示している。

 都道府県は、注意喚起の際、ことさら不安をあおらず、冷静な対応を呼びかけるべきだ。

 ただ、呼吸器や心臓に疾患のある人や、影響を受けやすい子供、高齢者は、体調の変化に、より留意する必要があるだろう。PM2・5の健康被害については、未解明の部分も多い。研究に力を入れてもらいたい。

 PM2・5対策で最も重要なのは、中国での発生抑制である。北京では2月28日、濃度が一時的に1立方メートル当たり500マイクロ・グラムに達し、6段階の汚染指標で最悪の「深刻な汚染」となった。

 日本人学校が生徒の屋外活動を制限するなど、邦人の生活にも影響が出ている。

 日中両国は2月、日本が技術協力を進めることで合意した。中国政府は大気汚染を克服した日本の経験を参考に、汚染防止に積極的に取り組まねばならない。

2013年3月4日01時50分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です