HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 74617 Content-Type: text/html ETag: "1399e1e-3124-5befe040" Cache-Control: max-age=3 Expires: Mon, 04 Mar 2013 00:21:04 GMT Date: Mon, 04 Mar 2013 00:21:01 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:社説

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2013年3月4日(月)付

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「65歳定年」―老若男女を生かす時代

社員を65歳まで雇い続けるよう雇用主に義務づける改正高年齢者雇用安定法(高齢法)が来月、施行される。経過措置をへて、2025年には実質的な「65歳定年制」社会を迎える。[記事全文]

PM2.5―大気汚染のもや晴らせ

先週末、九州北部から関東にかけて「春一番」が吹いた。心はずむ季節の到来を告げる南風なのだが、西風に変わったらと考えると、今年はちょっぴりゆううつになる。大気汚染を引き起[記事全文]

「65歳定年」―老若男女を生かす時代

 社員を65歳まで雇い続けるよう雇用主に義務づける改正高年齢者雇用安定法(高齢法)が来月、施行される。

 経過措置をへて、2025年には実質的な「65歳定年制」社会を迎える。今春闘でも、対応策をめぐる労使の折衝が山場を迎えている。

 65歳までの雇用に必要な資金を捻出するため、若手やミドル層にしわ寄せがいっては企業の成長にもつながらない。

 人口減少がスピードを増すなかで、労働力の確保は死活的な課題となる。高齢者をはじめ多様な働き手を生かすことが必要だ。働き方の幅を広げ、老若男女にかかわらず能力を発揮できる新たな雇用制度を築く契機にしてほしい。

 高齢法は、厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢の引き上げに伴う措置だ。現行法も65歳までの雇用を求めているが、労使協定を基に対象を制限できる。それが段階的に禁じられ、希望者全員の雇用が義務づけられる。

 すでに労使で決着した有力企業には、定年を延長する例もあるが、好業績や対象者が少ない企業に限られがちだ。

 それでも、定年後に再雇用する継続雇用制度を活用しつつ、能力に応じた賃上げや働き方の選択肢を増やすことで実質的に待遇を底上げする企業も見受けられる。

 背景には、従来の制度では小回りがきかず、働く人のやる気や能力を引き出せていない事情がある。技術流出への反省から人材のつなぎ留めという観点も重視されている。

 むろん、多くの経営者は人件費の増加に神経をとがらせており、経団連は現役社員の定期昇給の見直しに意欲を見せる。比重が大きいバブル期の入社組や団塊ジュニア世代の賃金を減らしたい思惑もあるようだ。

 しかし、目先のコスト削減に固執した雇用・人事制度いじりは、これまでも日本企業の組織力を損なってきた。団塊世代を切る方便と化した成果主義や安易な新規採用減らしの教訓を忘れてはならない。

 半面、高齢法は同じ企業に働き手を固定し、経済全体での適材適所を妨げる面もある。不当な人減らしを防ぎながら、ミドルの段階から転職を容易にする環境整備が必要だ。働く側が能力を高める努力も大切になる。

 デフレ脱却には、賃上げと成長の好循環が求められる。それにふさわしい雇用・賃金制度の再構築には、高齢者の力を生かすための試行錯誤が大きなステップになるはずだ。

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PM2.5―大気汚染のもや晴らせ

 先週末、九州北部から関東にかけて「春一番」が吹いた。心はずむ季節の到来を告げる南風なのだが、西風に変わったらと考えると、今年はちょっぴりゆううつになる。

 大気汚染を引き起こす微小粒子状物質「PM2・5」が、中国から大量に飛んでくるのではないかと心配になるからだ。

 環境省は先週、PM2・5について、一般の人が健康上注意を必要とする値を「1日平均で1立方メートルあたり70マイクログラム」と暫定的に決めた。これを超すときは、不急な外出を控えたり、窓開けを最小限にしたりするのが望ましいと勧めている。

 ここからさらに研究を進め、対策をとることが大切だ。

 PM2・5は、大気中に漂う大きさ(粒径)2・5マイクロメートル以下の粒子状物質だ。髪の毛の太さの30分の1ほどと非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、ぜんそくや肺がん、心臓病などのリスクを高める。

 「小さい粒子は健康に悪い」とわかってきて、米国は1997年に望ましい環境の基準をつくった。

 やっかいなのは発生源が多様なことだ。ばい煙や粉じんを出す施設、自動車など人の活動に伴うものだけでなく、土壌や波のしぶき、火山など自然からのものもある。硫黄酸化物や窒素酸化物などのガス状汚染物質が大気中で化学反応し、粒子になることも知られる。

 日本でも各地の大気汚染公害訴訟で論点になった。「1立方メートルあたり日平均で35マイクログラム以下、かつ年平均で15マイクログラム以下」という環境基準ができたのは2009年と遅かった。

 工場などのばい煙規制や自動車の排ガス規制などが間接的にきき、国内での濃度は下がってきた。だが都市部で環境基準を超える地点がまだかなりある。北京に比べれば数分の1といった汚染であり、「国産」のPM2・5が主因とみられるが、実態をつかむ観測網もまだ満足に整備されていない。

 今回、環境省は中国の大気汚染が耳目を集めるとすぐに注意の目安を決めた。環境基準を2倍にしたもので「とりあえず」といったものだ。

 研究を進めた米環境保護局は今月、PM2・5の環境基準を厳しくする。06年以降の300以上の疫学研究が根拠で、ディーゼル車の規制などで達成をめざしている。

 中国に環境の改善を求めるのはむろん、先をゆく米国に学んだうえで、中国や韓国と協力して観測や疫学調査、対策にあたる必要がある。

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