HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 28 Feb 2013 23:21:11 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 「総理大臣は興奮しない方がよろしい」「無礼なことをいうな…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

 「総理大臣は興奮しない方がよろしい」「無礼なことをいうな」「何が無礼だ。答弁できないのか君は」。ちょうど六十年前の二月二十八日の衆院予算委員会。社会党の西村栄一議員の挑発的な質問に、吉田茂首相が漏らしたひと言が歴史に残る「バカヤロー解散」の引き金になった▼吉田が大声で怒鳴ったような印象が強いが、答弁席から戻る間に、つぶやいた言葉をマイクが拾い、西村がとがめたのが真相らしい。すぐに発言を取り消したものの、懲罰動議が成立した▼内閣不信任案には同じ自由党の鳩山派などが賛成に回り可決された。吉田は解散に踏み切ったが、大敗して少数与党に転落。影響力は急速に衰え、退陣に追い込まれてゆく▼戦前は外交官として日米開戦の阻止に向けて動き、戦中は和平工作にかかわり、憲兵隊に逮捕された経験もある吉田は首相退任後、自らが創設した防衛大の最初の卒業式でこう語っている。「君たちが日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい」▼自衛隊が国民から歓迎される局面は、外国から攻撃を受けた時や大規模な災害派遣など、国家が危機に陥っている時だから、という理由だ▼数多くの犠牲者を出した東日本大震災では、懸命の救助活動で自衛隊の存在感は際立った。防衛では、吉田の言う通り「日陰者」であり続けてほしい。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo