HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 65345 Content-Type: text/html ETag: "1236833-1cd7-68a29300" Cache-Control: max-age=1 Expires: Fri, 01 Mar 2013 03:21:06 GMT Date: Fri, 01 Mar 2013 03:21:05 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス

縦書きでじっくり 天声人語ビューアー

  • 過去1年分が縦書きで、ページをめくるように簡単にごらんいただけます。
■ビューアーのご利用にあたって
・ご利用には朝日新聞デジタルの有料会員登録が必要です。
・対応ブラウザーはChrome、Firefox、Safariの最新版と、Internet Explorer9および10です。

その他の天声人語コンテンツ紹介

朝日新聞天声人語・社説
3カ月分まとめて読める!
WEBマガジン「朝日新聞天声人語・社説」
天声人語深堀ファイル
「役立つ」、「使える」天声人語をセレクト!
ベストセラー「天声人語書き写しノート」
書き写すだけで語彙が増え、文章の構成力が身につきます。
今だけ!朝日新聞デジタルが、月額500円。詳しくはこちら

2013年3月1日(金)付

印刷用画面を開く

 2月生まれの人には申し訳ないが、この月が短いのを喜ぶ人が寒地には多いようだ。新潟育ちの詩人堀口大学もそのひとりで、「太陽暦の作者は雪国に親切だった」と言っていたのを前にも書いた。2月が尽きれば、「待ちに待たれた3月が来る」と▼東京あたりでも、今年はその感が強い。雪国はひとしおだろう。青森の酸ケ湯(すかゆ)では積雪が566センチを記録した。走り高跳びの世界記録はとうに超えて、棒高跳びのそれに迫る。だが、きょうから3月、弥生(やよい)である▼〈カレンダーめくると春が迸(ほとばし)り〉ときのうの朝日川柳にあった。そのとおりに暦の写真は一気に春めく。菜の花が揺れ、桃が咲いて、遠くには雪解けの山なみ。定番の春景色が、冬のモノトーンの殻を割る▼雪深い地方でも3月の声を聞けば、きょうはきのうの冬ならず、の気分になることだろう。幼い春に、老いる冬が少しずつ道をあけていく。雪崩や落雪への警戒は怠れまいが、つららが日差しにとけて、きらきら滴(したた)る明るさはいい▼〈弥生ついたち、はつ燕(つばめ) 海のあなたの静けき国の 便(たより)もてきぬ、うれしき文(ふみ)を……〉とイタリアの詩人ダヌンツィオはうたう(「燕の歌」上田敏訳)。春を迎える喜びは、いずこの国も変わらない▼だが、そのあとに〈弥生来にけり、如月(きさらぎ)は 風もろともに、けふ去りぬ〉という一節があって、2月はどうも不遇である。浅い浅い春を、冬の底から育ててくれた月である。その背中を見送りながら、人と自然は新たな時へと歩む。

PR情報

注目コンテンツ

  • ショッピング鼻にやさしく差し込むマスク

    くもるメガネや化粧崩れ対策に

  • ブック・アサヒ・コム芸人 キバ抜かれる前の輝き

    たけしに殴られた東のダジャレ

  • 【&M】きょうは、何の日?

    美人と一緒なら、毎日が特別な1日

  • 【&w】「物語を贈ろう」

    世界に一つだけの花束を贈る

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014