HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52023 Content-Type: text/html ETag: "16855f-1896-4d6b7c7db2ab3" Expires: Wed, 27 Feb 2013 22:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 27 Feb 2013 22:21:05 GMT Connection: close 原発政策提言 規制委の独善に注文がついた : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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原発政策提言 規制委の独善に注文がついた(2月28日付・読売社説)

 民間の有識者らで作るエネルギー・原子力政策懇談会(会長・有馬朗人元文相)が安倍首相に緊急提言書を提出した。

 政府に対し、安全が確認された原子力発電所を再稼働させ、責任ある原子力政策の再構築を求めた。「原子力から逃げず、正面から向き合う」よう注文もしている。妥当な内容である。

 原子力発電所の長期停止で、代替の火力発電用燃料の輸入が急増している。コスト高で電気料金値上げの動きが広がり、産業や国民生活への影響は甚大だ。

 首相は「原発ゼロ政策」の全面見直しを表明している。提言を踏まえ、新たなエネルギー政策の議論を急いでもらいたい。

 提言は、福島の再生と国際標準の安全規制、適切なエネルギー政策の確立の3点を求めた。

 東京電力福島第一原発事故で約16万人が避難を余儀なくされている。提言が福島再生を「エネルギー・原子力政策の出発点」と最重視したのはもっともである。

 廃炉の技術開発と国際協力の拠点として、「国際研究開発センター」を福島県に設立することも提案した。具体化を急ぐべきだ。

 注目すべきは、提言が、原発の安全を担う原子力規制委員会について「さまざまな懸念がある」と苦言を呈したことだ。

 「リスクゼロという不可能な命題を目指している」「わが国最高水準の叡智(えいち)と現在得られる最大限の情報を活用した検討が実現していない」と批判している。確かに規制委の運営には問題が多い。

 規制委は今、新安全基準作りや敷地内の活断層調査に取り組んでいるが、過去の原子力規制にかかわった専門家は排除している。

 日本原子力発電敦賀原発の活断層調査でも、偏った人選の専門家会合で、活断層と認定する結論をまとめた。日本原電側に反論さえ許さなかった。提言が「事業者とオープンに意見交換すべきだ」と指摘したのは当然である。

 島崎邦彦委員長代理は、活断層認定について、関係学会推薦の専門家にも検証させる方針だが、意見の異なる専門家を排除したままで検証を行うのは問題だ。

 さらに、提言は、規制委に「原発再稼働のルールとスケジュールを明確にすべきだ」と求めた。

 田中俊一委員長は「(再稼働の遅れによる)電力会社のコスト増は考慮しない」と繰り返している。だが、効率性、経済性を無視した原子力規制はあり得ない。

 規制委は政治的に独立しているが、独善に陥ってはならない。

2013年2月28日02時04分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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