HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51922 Content-Type: text/html ETag: "2f5cca-18d3-4d68ef5608416" Expires: Mon, 25 Feb 2013 23:21:51 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 25 Feb 2013 23:21:51 GMT Connection: close 朴大統領就任 日韓関係の改善を期待したい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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朴大統領就任 日韓関係の改善を期待したい(2月26日付・読売社説)

 韓国新政権発足を機に日韓関係が改善に向かうことを期待したい。

 課題山積の中で、韓国の朴槿恵氏が大統領に就任した。初の女性大統領であり、朴正煕元大統領との初の親子2代にわたる大統領だ。

 朴氏は、就任式に出席した麻生副総理と会談した。日韓両国が未来志向で緊密に協力していく必要性で一致したのは評価できる。

 ただ、現状は厳しい。李明博前大統領の竹島訪問と「天皇の謝罪」要求発言で日韓関係は悪化したからだ。島根県主催の「竹島の日」式典への内閣府政務官出席に韓国政府は抗議したばかりである。

 歴代の韓国政権は、未来志向をうたいながら、歴史認識や領土問題で結局は対日外交を暗礁に乗り上げさせた。その(てつ)を踏まないのか、朴氏の指導力が問われる。

 好調を維持してきた韓国経済にはかげりも見える。経済成長率は昨年、2%台にまで落ち込んだ。輸出主導モデルにウォン高の逆風が吹いている。グローバル化の潮流に乗って財閥は発展したが、国内の雇用創出につながらない。

 少子高齢化時代が到来し、老後不安の解消へ年金や医療保険制度の充実を図らねばならない。

 こうした課題の解決に向け、朴氏は就任演説で、経済発展を成し遂げた父・正煕氏の「漢江の奇跡」に言及し、「第2の奇跡」を起こすと強調した。

 中小企業の競争力強化や、ベンチャー企業の育成によって、雇用と内需の拡大につなげる構想を、具体化することが必要だろう。

 外交・安全保障を巡っては、朴氏は北朝鮮に「一日も早い核放棄」を求めた。「確実な抑止力を土台に、南北の信頼関係を積み重ねる」と、対話へ意欲も示した。

 増大する北朝鮮の脅威に対し、韓国では弾道ミサイルの射程延長など国防力を強化する動きが顕著だ。世論調査では、韓国の核武装を支持する声も60%を超える。

 緊張が高まる朝鮮半島情勢に対処するには、周辺国の連携強化が欠かせない。朴氏が、アジア地域の緊張・対立の緩和と平和・協力の推進へ、「米国、中国、日本、ロシア」などと信頼を築き上げると述べたのは当然だろう。

 韓国で、中国の存在感は圧倒的だ。対中貿易は、対米、対日を合計した額を凌駕(りょうが)しており、中韓の人的往来は日韓のそれを年間100万人以上も上回っている。

 韓国が、朝鮮半島で存在感を増す中国への傾斜を深めるかどうかは、日本の安全にも影響する問題だけに、目を離せない。

2013年2月26日01時21分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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