HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 25 Feb 2013 20:21:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 与謝蕪村には食べ物を詠んだ俳句が多い。医師の安田宏一さん…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 与謝蕪村には食べ物を詠んだ俳句が多い。医師の安田宏一さんは蕪村好きが高じて、約千八百句が収録された岩波文庫の『蕪村俳句集』から、詠まれた食べ物を分類した▼安田さんのエッセー「蕪村はグルメ」によると、食べ物の句は百四十六あり、十六句のすしが最も多い。有名な<鮒(ふな)ずしや彦根が城に雲かかる>もその一つだ。押しずしを自分でつくっていたらしく、自然発酵させるなれずしも好きだったようだ▼次に多いのはふぐ汁。ふぐを詠んだ句を合わせると十八句で、すしを上回った。<鰒(ふぐ)汁の宿赤あかと燈(とも)しけり><その昔鎌倉の海に鰒やなき>。ふぐを食べなかったらしい鎌倉人への優越感もうかがえる▼当時は白みそ仕立てだったようだ。<ふぐ汁の我活(い)きて居る寝覚哉(ねざめかな)>。毒にあたって命を落とす者も多く、明治になるまで禁制だったが、ひそかに食べられていた。寒い晩のふぐ汁は格別だったことだろう▼東京マラソンには三万六千人が参加し、思い思いの装いのランナーが寒風を突いて都心を走り抜けた。雪が雨に変わり、氷が解け始める雨水の時季なのに冷たい風は容赦ない。三寒四温の「温」が恋しくなる▼観測史上最大の積雪を記録した青森市酸ケ湯(すかゆ)では、北日本の上空を覆う「今世紀最強級」の寒波で、再び積雪記録を更新した。春はもうそこまで来ているのに、冬将軍最後の居座りである。

 

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