HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52098 Content-Type: text/html ETag: "100b99-1864-4d61679800893" Expires: Wed, 20 Feb 2013 02:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 20 Feb 2013 02:21:09 GMT Connection: close 石炭火力発電 技術開発テコに活用続けたい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

石炭火力発電 技術開発テコに活用続けたい(2月20日付・読売社説)

 エネルギー資源を海外に依存している日本は、安価な電力を安定的に確保する必要がある。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、大半の原発が停止している。発電コストが安く、石油などより燃料の調達先が多様な石炭火力発電に改めて注目したい。

 東電は経営再建の一環として、他社が新設する石炭火力発電所から電力調達を目指している。

 経済産業省がこの計画を支持しているのに対し、石原環境相が難色を示すなど、政府内で評価が分かれている。これでは、民間事業者は安心して石炭火力発電所の新設に乗り出せまい。

 原発の新増設が難しい現状を踏まえ、政府は石炭火力の活用を続ける方針を打ち出すべきだ。

 石炭火力の最大の利点は、低コストにある。政府の有識者会議の試算では、石炭火力の発電コストは、1キロ・ワット時あたり9・5円で、LNG火力の10・7円や石油火力の22・1円より安い。

 一方、石炭火力は温室効果ガスの排出が多い欠点がある。二酸化炭素(CO2)の排出量はLNG火力の約2倍だ。

 石炭火力でCO2発生を抑制する技術は進歩している。弱点をいかにカバーするかが問われる。

 環境省はこれまで地球温暖化対策を理由に、環境影響評価(アセスメント)で石炭火力の新設にブレーキをかけてきた。

 2006年にオリックスと東芝が、10年には日本化成などが「CO2の排出量が多い」として計画の見直しを迫られ、発電所建設が断念に追い込まれた。この10年、新設が認められた例はない。

 許容されるCO2排出量に明確な基準がなく、環境省が恣意(しい)的にストップをかけるのは問題だと指摘する声もある。

 政府の規制改革会議が先週、石炭火力の新設要件の緩和・明確化を、検討テーマとする方針を示したのは妥当だ。発電所の開発を事実上、阻んできた規制の見直しを急いでもらいたい。

 日本は、電力の安定供給と温暖化対策の両立が課題だ。原発事故で、この目標のハードルは一段と高くなった。安全を確認できた原発を活用するとともに、石炭火力を含め、電源の多様性を維持することが重要である。

 中国やインドなど新興国には効率の悪い石炭火力発電所が多い。日本が新興国に、高性能の石炭火力発電設備を普及させることは、地球環境問題への有益な貢献のあり方の一つと言えよう。

2013年2月20日01時38分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です