HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 19 Feb 2013 00:21:55 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: <太平洋の大潮を/まともにうくる女川は/東日本にたぐいな…:社説・コラム(TOKYO Web)
東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 筆洗 > 記事

ここから本文

【コラム】

筆洗

 <太平洋の大潮を/まともにうくる女川は/東日本にたぐいなき/ほこりの港/ここにして…>。東日本大震災の津波で児童や父母に犠牲者が出た宮城県女川町の小学校を訪ねた時、校歌の歌詞を見てどきっとした▼郷土の誇りである港は津波をまともに受け、市街地は壊滅的な被害を受けた。校歌を歌い継いでゆく子どもたちは、どうか厳しい試練を強く乗り越えてほしいと願った▼震災後、厳しい批判が相次いでいる歌もある。五十年前に茨城県が制定した「県民の歌」。東海村の日本原子力研究所に設置された原子炉が、国内で初めて核分裂を連続させる臨界に成功した六年後につくられた▼<世紀をひらく/原子の火/寄せる新潮/鹿島灘>(三番)。原発事故が起きたのに原子力を礼賛する歌詞は歌えない、という批判だ。茨城は福島の隣県だ。東京電力福島第一原発の事故の影響で、放射性物質が風に乗ってどこまで拡散するのか、不安が高まっただけに当然の反応だろう▼歌詞を変えるべきだ、歌そのものを作り替えてはどうか…。さまざまな意見があるが、長く親しまれてきた歌であるという理由で、茨城県は歌詞を変える予定はないという▼「平和利用」の美名で、原子力エネルギーを手放しで礼賛してきたのは茨城県だけではない。歴史を直視するために、歌詞はそのままにした方がいいのかもしれない。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo