HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52274 Content-Type: text/html ETag: "2f5d1f-1876-4d5d9f5274b74" Expires: Sun, 17 Feb 2013 02:21:53 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 17 Feb 2013 02:21:53 GMT Connection: close 桜宮高教諭免職 暴力許す風潮の一掃を急げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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桜宮高教諭免職 暴力許す風潮の一掃を急げ(2月17日付・読売社説)

 教育現場から暴力を一掃する契機としたい。

 大阪市立桜宮高校の男子生徒が、所属するバスケットボール部の顧問教諭から暴力を振るわれ自殺した問題で、市教育委員会が教諭を懲戒免職とした。

 教諭が指導者としての適格性を著しく欠いているのは明らかだ。厳しい処分は当然である。

 市教委は、弁護士で構成される外部監察チームがまとめた、暴力と自殺との因果関係を認定する報告書を基に判断した。

 報告書によると、教諭は生徒が自殺する直前、練習試合のプレーを理由に、何度も平手で顔をたたいた。「人前での暴力が肉体的・精神的苦痛を与えた。正当化する余地はない」と指摘している。

 さらに、この教諭が複数の部員に対して恒常的に平手打ちや足蹴りなどの暴力を振るっていた事実も挙げた。報告書が、体罰ではなく暴力という言葉を使っているのは、指導を逸脱した行為だったことを物語っている。

 この教諭は、「生徒への暴力は指導の一環で効果がある」との考えを持っていたという。桜宮高の保護者の中には、この教諭を熱心な指導者と受け止める人もいた。寛大な処分を求める嘆願書も市教委に提出された。

 だが、そうした考え方が、執拗(しつよう)で理不尽な暴力を容認する背景にあることを、教育現場も保護者も重く受け止める必要がある。

 市教委は、2年前に体罰を理由に停職3か月の懲戒処分とされながら、昨年11月に体罰を繰り返した桜宮高男子バレーボール部顧問の教諭を停職6か月とした。

 校長も更迭した。バレーボール部での再度の体罰を把握していながら、市教委に報告しなかったことを重視した措置だ。

 学校の再生には、人事の刷新とともに、教諭が体罰を二度とせぬよう、再発防止の研修を充実させていくことが求められる。

 桜宮高以外にも、全国で部活動に伴う体罰が次々と発覚している。愛知県立高校の陸上部や京都府立高校のレスリング部のように、強豪校の名門部も目立つ。

 勝利を得るためなら少々の体罰は許されるとの誤った認識が、指導者の間に根強く残っていることの証左ではないか。これを放置しては、体罰を受けた生徒が指導者になった時、再び体罰を行う悪循環を断ち切ることはできまい。

 文部科学省の指示を受け、全国の教委は体罰の実態調査を進めている。徹底的に洗い出し、体罰の根絶を図らねばならない。

2013年2月17日01時26分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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