HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51956 Content-Type: text/html ETag: "d12f7-182f-4d59d525bee62" Expires: Thu, 14 Feb 2013 00:21:57 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 14 Feb 2013 00:21:57 GMT Connection: close レーダー照射 危険な習総書記の対外姿勢 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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レーダー照射 危険な習総書記の対外姿勢(2月14日付・読売社説)

 瀬戸際まで危機をあおる中国軍の行為が地域の安定を著しく損なっている。中国共産党の習近平総書記は、そのことを十分に認識し、対応を改めるべきだ。

 中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射事件について、中国国防省は火器管制レーダーを「使用していない」と事実関係を否定した。さらに警戒用レーダーによる「通常の監視」とも言い繕っている。

 日本政府はレーダーの周波数などを詳細に分析しており、両レーダーの違いは明白だ。中国の主張は全く受け入れられない。パネッタ米国防長官も「より大きな危機を招く可能性がある」と述べ、レーダー照射を強く批判した。

 日本は懸念を共有する米国と連携し、危険な挑発を行いながら責任転嫁を図ろうとする中国の不当性を、あらゆる手段を講じて国際社会に訴えなければならない。

 事件の背景にあるのは、習氏の際立った強硬姿勢である。

 習氏は昨年11月中旬、前任の胡錦濤国家主席から、総書記と軍トップの党中央軍事委員会主席の両ポストを同時に引き継いだ。

 総書記就任後2年近くたってから軍事委主席に就いた胡氏と異なり、習氏は急ピッチで軍の基盤を固める必要に迫られた。そのためには対外強硬姿勢を保つことが不可欠との判断があるのだろう。

 習氏は就任後わずか2か月半の間に、陸海空軍や武装警察の部隊、軍事技術開発の一翼を担う中国西部の衛星発射センターを視察し、戦略ミサイル部隊の党代表とも会見した。一連の活動で目立つのは習氏の勇ましい発言である。

 習氏は2月初めの蘭州軍区視察で「軍事闘争の準備の深化に力を入れよ」と語り、即応態勢を強化するよう命じた。昨年12月にも、広東省で、「中華民族の偉大な復興の夢とは強軍の夢だ」と強調している。

 こうした習氏の姿勢が、軍拡で自信をつけた軍の挑発行為を助長しているとも見られている。

 習氏は文民ながら、軍勤務経験がある。それだけに軍には軍事費の一層の拡大への期待感があろう。習氏の下で軍備膨張に歯止めがかからない恐れがある。

 中国軍の首脳部である軍事委で習氏以外はすべて軍人だ。文民統制が有効に機能するのかという制度上の問題も指摘されている。

 習政権が軍を統制し、「暴走」を抑えられるか。そうした国際社会の共通の懸念を、習氏はきちんと受け止め、行動してほしい。

2013年2月14日01時05分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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