HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 14 Feb 2013 01:21:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:オバマ演説 米再生の礎は築けたか:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

オバマ演説 米再生の礎は築けたか

 「党の利益を国益に優先させてはならない」。再選後初となるオバマ米大統領の一般教書演説を貫いたのは、共和党陣営への強いメッセージだった。超党派的手腕が問われよう。

 「勤勉で責任をもって働きさえすれば、出自や外見、また愛する相手が誰かを問わず、誰しもが前に向かって歩んでいける国」「少数のためにではなく、多数のためにある政府」

 冒頭で、オバマ大統領が掲げた米国像は、幅広い中間層の復活を最重点に据えるものだった。「公正な社会」は、再選に臨んだ昨年の一般教書演説のテーマでもあった。「強い米国」を掲げた共和党との政権選択選挙を制し、二期目の負託を勝ち得た自負が滲(にじ)む。

 演説は、先月の就任演説で提示したリベラル色の濃い国家像を念頭に、富裕層への負担増を求める税制、オバマケア(医療保険改革法)の本格始動を前にした社会保障改革、教育改革、包括的移民法、銃規制など内政全般にわたり総花的な政策を網羅し、共和党の譲歩を迫るものだった。

 二期目を迎え、米国経済はシェールガス革命によるエネルギー産業、住宅市場などが回復の兆しを見せている。今回の演説は、こうした「実績」を背景にした共和党陣営への戦闘宣言でもあろう。

 恒例となっている演説直後の共和党側の反論では、保守の将来を担うとされるルビオ上院議員が、「財政支出に頼る大きな政府で、米国の理念である企業精神を罰するような政策は成功しない」と、従来の立場を崩さぬ強硬姿勢を示した。今月末に迫っている「財政の崖」の新たな期限を控え、議会の攻防は予断を許さない。

 演説の前日に行われた北朝鮮の核実験について、オバマ氏は「この種の挑発は国際的孤立を深めるだけだ」と非難、国際社会と強調し、強い姿勢で対処してゆく姿勢を示した。

 イランの核疑惑問題でも外交的決着を促したが、外交問題に割かれた時間は短く、強い口調とは裏腹に内政重視の一方で展開される新たな国際戦略が十分に語られなかった印象は否めない。

 四年前、やはり北朝鮮のミサイル実験の直後にプラハで行った演説では、冷戦終結後の新国際秩序を見据えた「核兵器なき世界」への真摯(しんし)な取り組みが国際的共感を得た。二期目の本格政権を担う今、高く掲げた理念も踏まえ、継続的な取り組みを期待したい。

 

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