HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52229 Content-Type: text/html ETag: "2f5c2c-18b9-4d54ccf455109" Expires: Sat, 09 Feb 2013 22:21:49 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 09 Feb 2013 22:21:49 GMT Connection: close アフリカとテロ 武装勢力封じ込めが急務だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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アフリカとテロ 武装勢力封じ込めが急務だ(2月10日付・読売社説)

 イスラム武装勢力がサハラ砂漠周辺で勢力を拡大し、テロや誘拐などの犯罪行為を激化させている。アルジェリアで発生した人質事件では、邦人10人が犠牲となった。

 北・西アフリカをテロの温床にしないよう、国際社会で知恵を絞り、支援を強める時である。

 欧州連合(EU)は8日の首脳会議で、北アフリカ諸国に対し、国境管理の強化や治安機関の改革で協力する方針を決めた。

 民主化促進と経済援助という従来の支援に加えて、治安向上に助力することが緊急の課題になったと言える。国境を難なく越える武装勢力の暗躍ぶりに、危機感を募らせたことの表れだろう。

 こうした状況の発端は、2年前に始まった「アラブの春」で、エジプト、リビアなどで独裁体制が次々と倒れたことにある。新政権への移行過程で、民主化が難航し、経済が停滞する中、国家の治安維持能力は低下している。

 地域の大国の混迷が、それまで抑え込まれていたイスラム過激派の跳梁(ちょうりょう)を招いた。その象徴が西アフリカ・マリの混乱だ。

 リビアから元傭兵(ようへい)や武器が大量に流入して、民族抗争に火がつき、軍のクーデターで政権が動揺した。その隙に、イスラム武装勢力が北部を支配下におさめた。

 アフリカにおけるテロとの戦いの目下の焦点は、マリの武装勢力を制圧することだ。

 仏軍の介入が功を奏し、主要都市は政府側が奪回したが、武装勢力の封じ込めには、今後も外国軍の協力が不可欠だ。

 サハラ周辺地域がテロの舞台とならぬよう、地域諸国は治安能力を強化しなくてはならない。歴史的にアフリカと関係が深い欧州が負うべき責任は、特に大きい。

 アフリカの治安は日本にも無縁ではない。資源に富み成長が期待されるアフリカの各地に、日本企業が進出している。アフリカへの協力は重要性を増しつつある。

 日本政府は、アルジェリア事件を受け、サハラ砂漠南縁・北アフリカ・中東地域の安定化支援を行う方針を決めた。先月末のマリ支援国会合では、難民支援や国連平和維持活動(PKO)訓練センターへの資金拠出を表明した。

 さらに6月に横浜で、第5回アフリカ開発会議(TICAD5)を開催する。1993年から5年に1度、アフリカ諸国の首脳らを招いて開いてきた会議だ。

 貧困や疾病との戦いへの協力は今後も重要だが、治安改善に向けた支援も強化すべきだ。

2013年2月10日01時02分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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