HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 09 Feb 2013 23:22:32 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 全判決の確定まで十四年を要したリクルート裁判で印象に残っ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 全判決の確定まで十四年を要したリクルート裁判で印象に残っているのは、東京地検特捜部副部長として取り調べを担当した宗像紀夫元名古屋高検検事長を、江副浩正元リ社会長自身が直接尋問した二十年前の政界ルート公判だ▼江副さんは、藤波孝生元官房長官への贈賄を認めた調書の作成経緯を追及。「私は一貫して政治献金と主張した」「他の被告への九百万円を起訴対象から外すので、藤波被告に対するお礼の趣旨を認めるよう(宗像検事は)取引を持ち掛けた」と迫った▼「金の趣旨は勘弁してくれと、あなたは土下座した」と宗像氏も応酬。両者は平行線のまま、江副さんは約一時間に及ぶ尋問を「あえて違ったことをおっしゃっているようで心外です」と締めくくった▼大型弁護団による法廷闘争で、江副さんは執行猶予付きの判決を得た。その代償は、裁判対策に奪われた企業人としての円熟期だったのかもしれない▼ベンチャーの草分けと呼ばれたリクルートグループを一代で築き、政財界を巻き込む疑獄事件の主役になった江副さんが亡くなった。晩年は自らの体験から取り調べの全面可視化を訴えた。昨今の検察の信頼失墜を見通したかのように▼そのDNAを受け継いだ自由な社風からは、iモードの生みの親になった松永真理さんら、多くの人材が巣立った。「時代の寵児(ちょうじ)」は静かに世を去った。

 

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