HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52051 Content-Type: text/html ETag: "10030e-1851-4d53938b4e2e8" Expires: Fri, 08 Feb 2013 22:22:40 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 08 Feb 2013 22:22:40 GMT Connection: close 集団的自衛権 安全保障法制を総点検したい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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集団的自衛権 安全保障法制を総点検したい(2月9日付・読売社説)

 安全保障政策の立案では、「現行の憲法や法律で何ができるか」にとらわれるだけでなく、「何をすべきか」を優先する発想が肝要だ。

 政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、集団的自衛権の行使容認を提言する報告書を安倍首相に提出した。

 第1次安倍内閣が設置した懇談会は、首相退陣後の2008年6月に報告書をまとめたが、具体化されなかった。安倍首相にとっては今回が「再チャレンジ」だ。

 日本の安全確保に画期的な意義を持つ報告書であり、本格的な法整備につなげてもらいたい。

 報告書は、共同訓練中の米軍艦船が攻撃された際や、米国へ弾道ミサイルが発射された際、日本が集団的自衛権を行使し、反撃・迎撃を可能にするよう求めた。

 国際平和活動では、近くの他国軍が攻撃された際の「駆けつけ警護」を自衛隊が行えるようにする。「武力行使と一体化」する他国軍への後方支援は憲法違反とする政府解釈も見直すとしている。

 「集団的自衛権を持つが、行使できない」との奇妙な政府の憲法解釈を理由に、日本が米艦防護やミサイル迎撃を見送れば、日米同盟は崩壊する。国際平和活動で自衛隊だけが過剰に法的制約を受ける現状も早急に改善すべきだ。

 報告書は、基本方針の閣議決定、関連法整備などの歯止め措置も提案している。国内外の理解が得られる内容と言える。

 無論、衆参ねじれ国会の下、関連法整備は簡単ではない。公明党や内閣法制局も憲法解釈の見直しには慎重だ。報告書の具体化が夏の参院選後になるのはやむを得ないが、まず政府・与党内でしっかり議論しておくことが大切だ。

 安倍首相は、報告書で結論が出た4類型以外に、法整備が必要となる安全保障の課題についても検討するよう懇談会に要請した。報告書策定から5年近く経過し、より悪化した日本の安全保障環境に対応するには、適切な判断だ。

 尖閣諸島周辺では中国軍の挑発・示威活動が続いている。自衛隊に「領域警備」の新任務を付与し、武器使用のあり方を含め、警察権と自衛権の法律の隙間を埋める作業は優先度が高い。

 集団的自衛権の問題でも、防護対象を、近くにいる米軍艦船だけでなく、離れた海域で活動する艦船や、米軍の航空機などに拡大することも検討していい。

 安全保障基本法や自衛隊の海外派遣に関する恒久法の整備に向けて、安保課題を総点検したい。

2013年2月9日01時40分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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