HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51864 Content-Type: text/html ETag: "a31db-183d-4d4e8c3844dc5" Expires: Tue, 05 Feb 2013 02:21:52 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 05 Feb 2013 02:21:52 GMT Connection: close 警察不祥事 治安の維持へ悪影響が心配だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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警察不祥事 治安の維持へ悪影響が心配だ(2月5日付・読売社説)

 国民の安全を守る警察官の不祥事が後を絶たない。ゆゆしき事態だ。

 警察が信頼を失えば、捜査協力が得られず、治安の維持に悪影響が出かねない。警察庁や都道府県警察は強い危機感を持つべきだ。

 警察庁によると、昨年1年間に懲戒処分を受けた全国の警察官、警察職員は458人に上った。このうち、62人が免職、128人が停職処分を受けた。この10年で最も多い93人が逮捕された。

 懲戒処分の理由では、痴漢やわいせつ行為などの性犯罪、窃盗や横領などが上位を占めた。

 逮捕された警察官には、知人夫婦を殺害し放火した容疑の富山県警警部補や、暴力団関係者に捜査情報を漏らした福岡県警警部補、海水浴場で少女にわいせつ行為をした容疑の大阪府警巡査長らが含まれる。悪質な事件ばかりだ。

 不祥事が多発する背景として、警察内では、若手警察官の質の低下が問題視されている。強制わいせつ容疑で捕まった神奈川県警の巡査は「高校時代から痴漢をしていた。警察官になれば、やめられると思った」と供述した。

 倫理観の欠如にあきれる。

 全国の警察では、大量採用の団塊世代が退職期に入ったため、新人の採用を増やして人員を補充している。新規採用の警察官は毎年、1万人以上に上る。

 心身両面で質の高い人材を集めることが以前にも増して重要になっている。筆記や体力テストよりも、人柄や内面を見る面接試験を今以上に重視するなど、資質を見極める工夫が求められる。

 若手警察官を対象にした研修の機会を増やし、国民への奉仕者であるという使命をしっかりと教え込むことも欠かせない。

 管理職の能力低下も見過ごせない。部下が作成した虚偽の調書などを見抜けないケースが増えている。世代交代の波で、実務経験が乏しいまま管理職に就いた警察官が目立つとの指摘がある。

 人事評価や昇任試験などを通して、実務能力を的確に把握する必要があるだろう。

 警察は1990年代末、埼玉県桶川市のストーカー殺人事件などの不適切な対応で強い批判を浴びた。その反省から2000年、警察改革として有識者による「警察刷新会議」が提言をまとめ、厳しい処分基準などを導入した。

 当初は処分者が減ったが、3年前から懲戒処分の件数が著しく増えているのは問題だ。警察組織全体が改革の原点に立ち返り、綱紀粛正に努めねばならない。

2013年2月5日01時40分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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