HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52026 Content-Type: text/html ETag: "a3615-185c-4d4e8c38772fe" Expires: Tue, 05 Feb 2013 01:23:18 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 05 Feb 2013 01:23:18 GMT Connection: close 医療機器入超 承認の遅れは競争力を殺ぐ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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医療機器入超 承認の遅れは競争力を殺ぐ(2月5日付・読売社説)

 日本の医療機器メーカーの国際競争力を強化させたい。優れた機器の普及へ、障壁を取り除く政府の役割は重要だ。

 厚生労働省は、医療機器の承認や認証にかかる期間を短縮する方針を決めた。民間の認証機関に審査を任せる対象製品を拡大するため、今国会に薬事法改正案を提出する考えだ。

 成長戦略を議論している政府の産業競争力会議が、規制緩和を求めたことを受けたものだ。規制改革会議でも医療はテーマになる。妥当な判断と言えよう。

 日本では現在、医療機器の開発から厚労省による承認まで平均3年程度かかり、米国と比べて約2年も長い。大幅な承認遅れだ。

 これが、国内メーカーの競争力を()ぐ要因となっている。高い技術力がありながら、製品化に時間がかかり、新商品開発や市場参入に二の足を踏むからだ。

 例えば、心臓ペースメーカーや人工心臓弁は海外企業に押され、ほぼすべてを輸入に頼っている。医療機器は年間約6000億円の輸入超過という深刻な状況だ。

 医療機器は成長が見込まれる有望市場である。日本メーカーの劣勢を挽回しなければならない。

 国内業界を活性化させ、世界の市場を攻略する戦略を強化し、日本の経済成長に弾みをつけることが急務である。

 承認期間の短縮によって、効果が高い最先端の機器が国内ですぐに使えるようになれば、患者にとっても有益だろう。

 厚労省の今回の決定は、民間機関の認証対象を比較的リスクの高い製品にも拡大する内容だ。

 MRI(磁気共鳴画像装置)などに限られている対象をコンタクトレンズ、歯のインプラントなどの後発品に広げる。

 欧州では原則として民間機関が医療機器を認証し、迅速に製品化している。日本も速やかな製品化で販売を加速してもらいたい。対象の一層の拡大も課題だ。

 無論、医療機器の安全性の確保を忘れてはならない。国が認証機関を監督して、審査の質を高める方策を検討する必要がある。

 厚労省はまた、大手メーカーの下請けの製造事業者について、許可制から届け出制に簡素化する。製品開発に取り組みやすい環境が整い、企業の新規参入を促す効果が期待できよう。

 医療機器普及の遅れの背景には、患者に使って機器の効果や安全性を調べる治験が進まないこともある。海外との共同治験の拡大など体制の見直しが肝要だ。

2013年2月5日01時40分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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