HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51766 Content-Type: text/html ETag: "fea3c-181f-4d4d49f5f1a58" Expires: Sun, 03 Feb 2013 23:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 03 Feb 2013 23:21:08 GMT Connection: close 自転車事故 厳罰で危険運転にブレーキを : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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自転車事故 厳罰で危険運転にブレーキを(2月4日付・読売社説)

 東京地検が自転車の交通違反に対する方針を先月、大きく転換した。

 悪質なルール違反を繰り返す自転車運転者に、刑事罰を科す厳しい姿勢で臨むというものだ。

 交通規則を守らない運転が事故を誘発している以上、やむを得ない対応だろう。周知徹底し、事故抑止につなげたい。

 自転車に運転免許はないため、違反者には行政処分の青切符ではなく、送検して刑事手続きに入ることを示す赤切符が切られる。

 検察はこれまで違反者を一律不起訴にしてきたが、運用見直しにより、2回目の違反からは道路交通法違反で略式起訴する。

 簡裁で違反が確定すれば、5万円以下の罰金を命じられる。他の刑法犯と同様、前科も残る。東京地検は当面、重大事故の主たる原因となっている信号無視を中心に略式起訴するという。

 自転車の違反を不起訴としてきたのは、自動車の軽微な違反が行政処分で済むのに比べ、刑事罰は厳しすぎるとの考えによる。

 だが、東京地検は、自転車の悪質運転を減らし、事故を抑止することを目的に、警視庁の要請を受けて方針を転換した。

 東京都内では、全交通事故のうち、自転車のかかわる事故が4割近くを占める。全国平均の約2倍という発生率だ。

 歩行者と衝突して死亡させた事故もあれば、車のドライバーが急に斜行した自転車をよけて死亡事故に至ったケースもある。事故の原因は、信号無視のほか、前方不注意や蛇行運転など、自転車側の過失が目立っている。

 最近は携帯電話で通話しながらの運転が事故につながるケースが増えている。スポーツタイプの自転車が人通りを猛スピードで走り抜ける危険な運転に、脅かされている歩行者も多いだろう。

 自転車のマナー向上は、交通安全のために欠かせない。

 住民に今回の見直しを周知するには、警察に加え、区市町村の役割も重要である。自転車利用者の多い学校や工場の協力を得て、講習会の開催やパンフレットの配布などに取り組んでもらいたい。

 民事裁判では、死亡事故などを起こした自転車運転者に数千万円の賠償が命じられた例もある。自転車の危険運転は、自動車事故と同等の責任を負うという自覚を利用者が持つことも必要だ。

 自転車事故の対策は、都市部に限らず、全国的な課題である。東京の取り組みは、他の地域の参考になるだろう。

2013年2月4日01時39分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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