HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 29 Jan 2013 22:22:32 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 新しい政権がどれだけのことをできるかは、スタートダッシュ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 新しい政権がどれだけのことをできるかは、スタートダッシュの勢いで決まる、と語ったのは中曽根康弘元首相だ。「困難だが重要な二、三の問題を就任当初の短時日に片付けて、その実行力を国民や野党に示さなければならない」と首相の心構えを説いた▼きのうの所信表明演説で「強い経済を取り戻す」と強調した安倍晋三首相は、改憲などの持論や原発政策にはあえて触れず、経済再生をスタートダッシュの「顔」にすえた。打ち出してきたデフレ脱却策が、株価や為替相場に反映されているという自信の表れだろう▼その裏側で、生活保護のうち食費などの生活費に充てる生活扶助費は今年八月から三年間かけて段階的に約八百五十億円(約8・3%)を削減するという。過去最大の減額である▼お笑い芸人の母親が生活保護を受けていた問題に端を発した制度バッシングは激しかった。その先頭に立った自民党の国会議員は、減額にさぞ満足しているだろう▼「アベノミクス効果」で円安が進み、株価が上がっても、所得が増えなければ国民の暮らしは厳しくなる。そこに消費税の増税が追い打ちをかける。苦しむのは生活保護受給者だけではない▼第二次安倍政権のスタートダッシュは順調に見えるが、その恩恵が輸出産業や富裕層にとどまるなら、期待が高い分、失望も大きい。政権には「もろ刃の剣」である。

 

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