HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51921 Content-Type: text/html ETag: "a1a3e-1839-4d4339f55c4c6" Expires: Sat, 26 Jan 2013 21:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 26 Jan 2013 21:21:08 GMT Connection: close 高校野球監督 元プロの「恩返し」に期待する : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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高校野球監督 元プロの「恩返し」に期待する(1月27日付・読売社説)

 プロ野球OBが高校野球の監督になるための条件が、大幅に緩和されることになった。

 プロとアマチュア野球の指導者交流を拡大し、球界全体の発展につなげたい。

 新設する研修を受講すれば、プロOBに学生野球の指導者資格を与える――。これが、高校、大学野球を統括する日本学生野球協会とプロ側による合同協議会で基本合意した内容だ。早ければ年内にも新制度が導入される。

 一足先に大学野球では、特別規定によりプロ出身監督が増えている。一方、高校野球の監督にプロ出身者は極めて少ない。部活動は教育の一環との意識が強く、「教諭として2年以上勤務」という条件を課しているためだ。

 だが、プロの高度な技術を吸収したいと願う高校球児は多い。プロ関係者にも「高校野球に恩返ししたい」という思いが強い。

 日本学生野球協会に属する日本高校野球連盟が今回、交流拡大を求めるプロ側に歩み寄ったことを歓迎したい。プロの世界で活躍できずに引退した選手にとっても、高校野球の監督という新たな道が大きく開けるだろう。

 日本の野球界では、プロとアマの断絶が長く続いた。1946年制定の日本学生野球憲章は、プロとの試合や練習を禁じていた。学生野球の商業化を防ぐことなどが目的だったとされる。

 高校球児を対象としたプロ選手のシンポジウム開催などで、雪解けの機運が高まったのは10年ほど前からだ。2010年に学生野球憲章は全面改正され、プロ・アマ交流が原則として解禁された。

 今回、残された課題だった高校野球の監督就任問題に道筋がついたことで、プロとアマの関係は新たな時代に入ったと言える。

 研修で元プロ選手は、断絶の歴史や関係修復の経緯を学ぶ。過去の不幸な関係に戻らないためには必要なことだ。教育的見地から、健全な部活動の在り方や、選手の安全対策などの講義を充実させる必要もある。

 高校野球には、現在も多数の優れた監督がいる。元プロの監督としのぎを削ることで、指導者全体のレベル向上を期待したい。

 ヤクルト、ロッテの元投手で、埼玉・川越東高の監督だった阿井英二郎氏が今季、日本ハムのヘッドコーチに就任した。高校野球で培った指導力をプロでどのように発揮するのか、注目される。

 アマからプロへの人材交流も広がれば、野球界の一体感がより強まるに違いない。

2013年1月27日01時34分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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