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水晶占いが「2問で1万円」と聞いて、客が「ちょっと高くないか」と問う。占師は「はい高いです。では二つ目の質問をどうぞ」。その抜け目なさ、その手際……。自民党の、電光石火の「先祖返り」を目の当たりにし、笑えぬジョークを思い出した▼早手回しの復古は、経済再生の手順に鮮明だ。厳しい財政下で脱デフレを急ぐにあたり、産業界と公共事業への深い「理解」がのぞく。まずは大企業や地方の建設業者に元気になってもらい、やがて民の懐が温まるのを待つ構えである▼税制改正では、消費増税の埋め合わせを求める自動車業界の意向をくんで、自動車取得税が廃止される。あおりで減収となる地方自治体の悲鳴も聞き入れ、自動車重量税は専ら道路につぎ込むらしい▼使途を道路に限る特定財源は、ムダな工事の温床と批判され、麻生政権で一般財源になった。まさか「道路族の財布」までよみがえることはない、と信じたい▼大多数の道路は暮らしや商いに役立っている。トンネル惨事が教える通り、その安全には手入れが欠かせない。大綱も「維持管理・更新等のための財源」とするが、囲い込んだ金には浪費がつきもの。永田町や霞が関で使う「等」の字は曲者だ▼去年の貿易赤字が過去最大の約7兆円となった。富と人口が減る国を内から支えるには、何はさておき、働き手への応援歌を奏でるべきだ。族議員の懐メロを聴いている時ではない。「高くつかないか」。占師ではなく、水晶玉に問うてみたい。