HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51991 Content-Type: text/html ETag: "d09ea-1892-4d3f6e46d6a1b" Expires: Thu, 24 Jan 2013 02:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 24 Jan 2013 02:21:05 GMT Connection: close 対「北」制裁強化 安保理決議の実効性を高めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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対「北」制裁強化 安保理決議の実効性を高めよ(1月24日付・読売社説)

 北朝鮮への圧力の手を緩めず、実効性を高めることが重要だ。

 国連の安全保障理事会が、北朝鮮への制裁を強化する決議2087を全会一致で採択した。

 決議は、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」と称して昨年12月、安保理決議に違反する長距離弾道ミサイル発射を強行したことを非難した。新たなミサイル発射や核実験を行う場合、安保理が「重大な行動を取る」とも警告している。

 制裁内容の調整に時間を要したが、新たな決議採択は、国際社会が結束して北朝鮮の挑発に厳しく対応したものと評価できる。

 決議は、常任理事国である米国と中国の妥協の結果でもある。

 米国は、日本や韓国と連携しながら、制裁の枠組みを広げ、強化することを目指した。これに対し中国は当初、新たな制裁には否定的で、法的拘束力のない議長声明とするよう主張したという。

 最終的に決議採択に落ち着く代わりに、中身は、資産凍結や海外渡航禁止措置の対象追加など、既存の決議に基づく制裁強化にとどまった。貨物検査の義務づけなど新規制裁に踏み込まなかった点で物足りなさは残る。

 それでも、昨年4月に北朝鮮がミサイルを発射した際、中国の反対で安保理が北朝鮮を非難する議長声明しか出せなかったのに比べると前進だ。当時の甘い対応が北朝鮮を増長させ、再度の発射を許す一因となったのは明らかだ。

 北朝鮮は、安保理決議に強く反発し、「核抑止力を含む自衛的な軍事力」を強化する「対応措置」を講じると宣言した。核実験の予告とも受け取れる。

 北朝鮮は、安保理にミサイル発射を非難されたのに対抗して、2回の核実験を強行した。3回目を許せば、核ミサイルの脅威が高まり、地域は一層緊張しよう。

 中国は、安保理常任理事国として、隣国の北朝鮮に挑発をやめるよう厳しく迫るべきだ。

 中国が制裁強化決議に同意した背景には、南シナ海の領有権問題や尖閣諸島を巡って米国とのあつれきを深める中、北朝鮮問題でも対立する事態は重荷となるため、避けたいとの判断もあろう。

 制裁を強化しても、効果が上がらなければ意味はない。北朝鮮の貿易額の7割を占める中国には、大量破壊兵器関連物資や贅沢(ぜいたく)品の禁輸などの制裁を順守、徹底し、強化する重い責任がある。

 菅官房長官は、日本も独自の制裁を強化する考えを示した。効果的な策を検討してもらいたい。

2013年1月24日01時07分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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