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旅行会社に勤めるS氏(38)は定期健診で糖尿病の疑いを指摘された。精密検査で治療不要と分かったが、彼は以後、受診そのものをやめてしまう。「結果が出るまで、同僚と飲みに行っても楽しくないし、仕事にも集中できない。あんなストレスはこりごりです」と▼『健康診断の「正しい」読み方』(吉田和弘著、平凡社)にある話だ。健診で何か見つかり、働き盛りに「病身」のレッテルを貼られるのも怖かったという。だが、できる人こそ丈夫で長持ちしてほしいのが会社の本音である▼コンビニ大手のローソンが、健診を受けない社員と上司のボーナスを減らす新制度を、春から採り入れるそうだ。労使合意の「罰金制」により、社員3500人の完全受診を目ざす▼受診の催促(年3回)を無視し続けると、翌年度のボーナスが本来の支給額から15%カットされる。上司も管理責任を問われて10%減、勧められた再検査をサボっても削られるという▼予防医療を担う職場健診は、年1回以上が労使に義務づけられている。ただ、多忙などを理由に受けない人もいて、ローソンの昨年度の受診率は84%だった。ちなみに、朝日新聞の東京本社は昨秋が93%。日頃の不摂生を案じての高率にも思える▼健診を受けると健康になる、なんてことはない。エックス線撮影の被曝(ひばく)など心身の負担も伴うけれど、その功は罪に勝ろう。毎年の義務、というより権利を捨てては、望んでも受診しにくい人に申し訳ない。S氏、お元気だろうか。