
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52344 Content-Type: text/html ETag: "b3190-1892-4d37ef5cdba63" Expires: Thu, 17 Jan 2013 21:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 17 Jan 2013 21:21:08 GMT Connection: close
![]() 中国大気汚染 成長至上主義の限界露呈した(1月18日付・読売社説) 経済成長至上主義で環境対策を軽視してきたツケと 中国の各都市で大気汚染が深刻化している。 工場の排煙や自動車の排ガスなどに含まれる直径2・5マイクロ・メートル以下の微小粒子状物質(PM2・5)が1立方メートル当たりの観測値で、北京で一時、基準値の10倍以上、世界保健機関(WHO)指針値の40倍近くに達した。 PM2・5は肺の奥まで入り込み、ぜんそくや気管支炎、肺がんを発症させる物質だ。これを含んだ濃霧が発生し、呼吸器疾患の患者が急増した。視界不良により交通機関にも大きな影響が出た。 上海の日本人学校では、屋外活動が中止になるなど、在留邦人の生活も脅かされている。看過できない甚大な環境汚染である。 暖房用の石炭焼却に伴う排ガスが増え、風が弱く空気が滞留したことなどが濃霧の原因だ。毎年この時期に起きる現象だが、今年は特に劣悪な汚染となった。 背景にあるのは、急成長に伴う生産活動の無秩序な拡大と自動車の激増である。 製造業者は環境規制を守らず、地方当局もそれを厳しく監督していない。脱硫装置の性能は低く、稼働してさえいないとされる。 胡錦濤前政権は、「科学的発展観」を掲げて、それまでの国内総生産(GDP)中心の方針を転換し、環境へも配慮する持続可能な発展を目指すとしてきた。だが、実態は環境汚染が限界に来ていることを示している。 環境対策が遅れれば、その代償は一層大きくなる。そのことを習近平政権は十分に認識し、万全の対策を講じるべきである。 中国の大気汚染は人ごとではない。黄砂と同様に、偏西風で日本や韓国など周辺国へと拡散し、一定の越境汚染は避けられない。 中国からの飛来とは断定できないが、基準を超える微小粒子状物質が日本で観測されている。今後も警戒を要するだろう。 日本は中国との戦略的互恵関係を構築しようと、省エネ・環境協力を前進させてきたが、どこまで効果をもたらしたのか。 中国は原子力発電所十数基を運転させ、50基以上の建設を計画している。万一、原発事故が発生すれば、日本への影響は計り知れない。この分野でも日本が中国に協力できることは多いはずだ。 日本は中国に対し、環境問題の重要性を粘り強く訴え、中国が日本の公害対策のノウハウを活用するよう働きかける必要がある。 (2013年1月18日02時01分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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