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小学5年、いや6年か、小遣い銭で初めて買ったレコードがザ・タイガースの「銀河のロマンス/花の首飾り」だった。聴き込んだので、今も詞が出てくる。その何倍も夢中になった元少女たちは、吉報にときめいたことだろう▼昭和40年代前半、グループサウンズ人気の頂点にいたこの5人組が、デビュー時の顔ぶれで再結成されるそうだ。ジュリーこと沢田研二さん(64)が、ソロの舞台で「全員の気持ちがやっと一つになりました」と発表した。12月に東京などで公演する▼日本武道館での解散コンサートから42年、芸能界から最も遠くにいたのが、ドラム担当のピーこと瞳みのるさん(66)だ。故郷の京都で定時制高校に復学、慶大に進んで中国文学を学び、慶応高で漢文などを教えた。復帰の誘いには背を向けてきた▼「かつての名前に頼った再結成では意味がない。メンバーのその後を加えて未来に発信すべきだ」と自著にある。同世代に元気を、上下には刺激を届けたいと、日中両語で「老虎再来」なる歌も作った▼「シーサイド・バウンド」「モナリザの微笑(ほほえみ)」「君だけに愛を」。ヒット曲を聴き直せば、日本が若かった頃の息吹が耳元に満ちる。こちらも青かった▼ホテルなどで団塊世代の同窓会が盛んと聞く。学年名簿に故の字が交じる60代である。戦後の起伏を越えてきた身を労(ねぎら)い合い、倒れた友をしのぶ時か。振り返って、また前を向く。この世代の青春は、幸いにも和洋ポップスの黄金期。応援歌には事欠かない。