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青春のとき、夢もあれば不安もある。〈難しいと言われて燃える夢があるいつか作る機械の義手を〉。広島の工業高校2年大畑遼真(りょうま)君が詠んだ。長崎の農業高校3年芦塚俊介君は〈柿や蜜柑(みかん)栗などザルに盛られてる就活の僕もザルに盛られる〉▼毎年この季節、東洋大学から届く「現代学生百人一首」を楽しみにしている。26回目の今年は全国から約5万4千首が寄せられたそうだ。どんな時代でも若さは宝だと、つくづく思う▼〈過ぎてゆく高二の夏を止めたくて朝顔一つ押し花にする〉鈴木亜矢子。青春の逃げ足はいつも速い。〈朝早くカーテン開けて光合成力満ちたらさぁ出かけよう〉高1、唐澤春奈▼政治に向く目に風刺がまじる。〈弟がテレビを見ながら僕に問う今年の総理は誰がなるのと〉高2、正木雄介。ネット時代を見る目も冷静で的確だ。〈「詳しくはウェブで」とうたうCMは情報社会の格差広げる〉高1、木村紗和音(さわね)▼家族のありがたみは家を出てわかる。〈「おかえり」がこんなうれしい言葉とは初めて知った寮に入って〉高2、高橋香那。遠くで働く親を思いやって〈四季のない異国の父へ秋便り庭の紅葉(もみじ)の押し葉のしおり〉高3、井上裕衣(ゆい)▼年若いほど発想は自在だ。〈えんぴつがくるりくるりとダンス中白いステージ中間考査〉中3、下迫仁子(ひろこ)。さて試験の結果は? 小学生の部に〈そよ風にたんぽぽみんな言っている種(たね)をたく配してちょうだい〉6年、本木万葉(まよ)。読み終えて、春に一歩近づく気がした。