HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 10 Jan 2013 02:21:10 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: その昔の中国では、身分の高い人々は不老長寿の薬と信じ、水…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 その昔の中国では、身分の高い人々は不老長寿の薬と信じ、水銀化合物を服用していたようだ。毒を体内に取り込んだ唐代の歴代皇帝二十人のうち、少なくとも六人は、水銀中毒で命を縮めたという(船山信次著『毒』)▼「現代の皇帝」ともいえる総書記が頂点に君臨する中国共産党にとって、自由な報道は体制を揺るがしかねない毒なのだろう。広東省の週刊紙「南方週末」の記者たちが、同省共産党委員会宣伝部に対する抗議ストライキに踏み切ったのは、記事の差し替えがきっかけだ▼新年特別号に掲載される予定だったのは、憲法に基づく民主政治の実現を訴える記事だった。宣伝部の指示を受け、中国の発展を強調する内容に差し替えられたという▼共産党の管理下にある中国メディアで、記者が抗議ストに踏み切るのは異例中の異例だ。「記者は皆、怒りに震えている」。南方週末の記者は本紙の今村太郎特派員に声を荒らげた。記者を支持する市民も本社近くに集まり、「われわれには言論の自由が必要だ」などと訴えた▼共産党中央宣伝部は、海外の敵対勢力が介入しているという通知を出し中国メディアを牽制(けんせい)したが、彼らを突き動かしたのは、ジャーナリストとしての矜持(きょうじ)だろう▼ストは収束に向かい、記者は処分されないという。自由な報道は体制維持には毒であっても、長い目で見れば良薬である。

 

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