HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 38756 Content-Type: text/html ETag: "1419d08-2128-414350c0" Cache-Control: max-age=5 Expires: Tue, 08 Jan 2013 22:21:11 GMT Date: Tue, 08 Jan 2013 22:21:06 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2013年1月9日(水)付

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 うっかりすると見逃しそうな小さな記事だった。5日付の国際面に「詩人の金芝河(キムジハ)氏39年ぶりに無罪」とあった。50代半ば以上の世代なら、ひとつの時代の象徴のように、その抵抗詩人の名を記憶している方も少なくあるまい▼韓国の体制に抗して繰り出す詩は、紙つぶてとなって権力者を撃った。よく知られる「五賊」は長編の風刺詩だ。財閥や国会議員、高級官僚、将軍らを国に巣くう五賊と呼び、〈夜昼のべつ盗みにはげみ、その技(わざ)これまた神技(かみわざ)の域〉(姜舜〈カンスン〉訳)などとこきおろした▼民主化運動の弾圧事件で1974年に死刑判決を受ける(のちに減刑)。この年にはソ連の反体制作家ソルジェニーツィン氏が国外追放されている。国家体制も状況も異なるが、2人の抵抗人の「良心」が様々に語られたものだ▼そのころの韓国は軍政下にあり、言論統制は厳しかった。たとえば新聞の場合、官憲が各社に常駐して記事を検閲したそうだ。真実を書くのに覚悟が求められた▼時は流れて金氏は無罪を勝ち取った。その報を読みつつ目を転じれば、中国で「言論の不自由」への抗議が湧き上がっている。南方週末という新聞の新年号が、当局の指示で違う紙面に変えられたという▼この抗議を人々の「良心」ととらえたい。言論の自由を欠いたままでは、中国は大国になっても成熟できまい。民衆の口を封じるのは川を止めるより危険――。いずれ不満が高じてあふれ出すからだが、政府が省みるべきそんな古言も、中国にはある。


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