HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 39553 Content-Type: text/html ETag: "10407a9-23d9-672c8f00" Cache-Control: max-age=3 Expires: Wed, 02 Jan 2013 22:21:51 GMT Date: Wed, 02 Jan 2013 22:21:48 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 天声人語

天声人語

天声人語のバックナンバー

 大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。会員登録すると、過去50日間分の天声人語のほか、朝刊で声やオピニオンも読むことができます。

天声人語深堀ファイル
「役立つ」、「使える」天声人語をセレクト!
天声人語をまとめ読み
3カ月分まとめて読める!WEBマガジン「朝日新聞 天声人語・社説」

2013年1月3日(木)付

印刷用画面を開く

 「日本の憲法は押しつけられた」「いや、そうではない」と戦後68年の今も論議は続く。その憲法の草案づくりに加わったベアテ・シロタ・ゴードンさんは、いつもこう語った。「日本の憲法はアメリカよりすばらしい」。そして憲法が日々の暮らしに根を張ることを願ってきた▼憲法24条は男女の平等をうたう。草案の人権小委員会の一員として22歳でそれを書いた彼女の訃報(ふほう)が、米国から届いた。89歳。ただ書いただけでなく、戦後の日本を見つめ続けた人だった▼戦前に一家で日本へ来た。少女時代を東京で過ごし、二・二六事件にも遭遇する。開戦前に単身渡米して学び、戦争が終わると、両親を捜すために連合国軍総司令部の要員に応募して日本に戻った▼憲法施行の年に離日したが、その後も訪日を重ねた。各地での講演は100回をゆうに超す。かつて同僚の取材に、草案を書いたことを「ちょうど私がそこにいただけ」と答えていた。さりげない言葉の向こうに、だれが書こうが平等は普遍の原理だという信念が感じられたものだ▼社会にも会社にも女性の力が求められて久しいのに、この国での進出は今もおぼつかない。企業や官庁に幹部は少なく、首長も議員も一握り。ある調査では男女の平等度は135カ国中の101位とお寒い限りだ▼ベアテさんの最後の言葉は、日本国憲法の平和条項と女性の権利を守ってほしい旨の願いだったという。元気を欠きがちなリベラルへのエールのように、それは聞こえてくる。

PR情報

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
  • 過去の朝刊
  • 過去のYou刊

26日|27日|28日|29日|30日|31日|1日|2日

26日|27日|28日|29日|30日|31日|1日|2日

アンケート・特典情報