HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 40041 Content-Type: text/html ETag: "d8c569-2410-9e9be2c0" Cache-Control: max-age=2 Expires: Thu, 27 Dec 2012 22:21:52 GMT Date: Thu, 27 Dec 2012 22:21:50 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年12月28日(金)付

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 「火中の栗を拾う」という例えには、身を捨てて難儀を背負うイメージがある。だが、元になる話はだいぶ違う。猫が猿におだてられて、炉で焼けている栗を四苦八苦して拾わされる寓話(ぐうわ)だ。お人好(よ)しを戒めるお話にもなっている▼滋賀県知事にして日本未来の党を立ち上げた嘉田(かだ)由紀子さんは、火中の栗を拾ったのか、拾わされたのか。掲げた「卒原発」の志に偽りはなかったのだろうが、見る側は興ざめを通り越して呆(あき)れる。小沢一郎氏らのグループが、もう袂(たもと)を分かつのだという▼もともと不安視されていた。「小沢さんに口説かれた雇われ女将(おかみ)」。そんな陰口も聞こえ、党に合流した亀井静香氏など、選挙前に「ステキなおばさんのスカートの下にもぐり込む」と言っていた。その亀井氏も離党するそうだ▼嘉田さんは承知で清濁を併せ呑(の)んだのだろう。だが、あからさまな選挙互助会ぶりが透けて伸びを欠いた。とはいえ342万人が党名を書いたのだから、ひと月での仲間割れなど背信だ。小沢氏の責任も問われる▼阿部知子副代表が分裂を成田離婚に例えていた。恋愛を「美しい誤解」と言ったのは評論家の亀井勝一郎だった。結婚生活は「恋愛が美しき誤解であったということへの、惨憺(さんたん)たる理解」であると。やっぱりね、の声も聞こえてくる▼脱原発はとかく情緒的と蔑(さげす)まれがちだ。環境学者でもある嘉田さんに、情と理の整った主張を期待する人は少なくあるまい。倒れた党の切り株から、新しい芽は吹くだろうか。

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