HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 23 Dec 2012 21:22:32 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 高村光太郎がビアホールの宣伝のためにつくったコピーがある…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 高村光太郎がビアホールの宣伝のためにつくったコピーがある。<白髪三千丈ビールによつてかくの如(ごと)く美し>。どれほど集客効果があったかは分からないが、詩人らしくジョッキを傾けたくなるような不思議な魅力がある▼日本酒の広告文もつくっている。<大酒はもとより大毒。のまずにすむなら酒はのまぬが一番。もしのむなら安くてわるい酒は禁物。高くてもよい酒が結構なれど安くてよい酒なら尚(な)ほ結構な道理でございます>▼推奨しているのは福島県旧安達町の酒蔵がつくっていた「花霞」という銘柄。智恵子夫人の実家でつくっていた酒だ。蔵元の娘と知り合って、酒浸りの放埒(ほうらつ)な生活を改めたのだから人生は奥深い(出久根達郎著『本を旅する』)▼つい酒に飲まれて深酒してしまう忘年会の季節も最終盤。<数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ>富安風生。気が付くと年内の残りの日を指折り数えるほど、暮れも押し詰まった数え日の中にいる▼冬至の日の夜、銭湯の湯船にゆずが浮かんでいた。湯がうっすらと黄色に染まり、さわやかな香りが漂う。「湯治」との語呂合わせとの説もあるが、冬至にゆず湯という習慣は江戸時代からだという▼ノロウイルスが原因の胃腸炎が猛威をふるい、インフルエンザも流行期に入った。体を温めて、手洗いやうがいの励行を忘れずに、数え日を元気に乗り切りたい。

 

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