HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 40130 Content-Type: text/html ETag: "f8d49c-23cc-d9433000" Cache-Control: max-age=3 Expires: Sat, 22 Dec 2012 01:21:08 GMT Date: Sat, 22 Dec 2012 01:21:05 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 天声人語

天声人語

天声人語のバックナンバー

 大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。会員登録すると、過去50日間分の天声人語のほか、朝刊で声やオピニオンも読むことができます。

天声人語深堀ファイル
「役立つ」、「使える」天声人語をセレクト!
天声人語をまとめ読み
3カ月分まとめて読める!WEBマガジン「朝日新聞 天声人語・社説」

2012年12月22日(土)付

印刷用画面を開く

 寒風の中、幼子を連れたお母さんたちが談笑していた。「去年は抱っこしてたの。重いけど温かくて」。湯たんぽ代わりに連れ回す親はいまいが、乳児の体温は幼児より0.5度近く高いらしい▼この季節、子の「ぬくもり」には気をつけたい。流行期入りが発表されたインフルエンザだけではない。発熱は緩くても、嘔吐(おうと)と下痢がひどい感染性胃腸炎が暴れている。患者の6割が5歳以下、保育園や病院で集団感染が続き、お年寄りには死者も出た▼ここ10年では2006年に迫る大流行である。厄介なことに、原因のノロウイルスに変異型が現れ、免疫のない人が多い。感染を防ぐには、まめな手洗いと、汚物の処理を徹底するしかないという▼インフルと同じく、このウイルスも寒くて乾いた冬を好む。脱水症状に陥ると「おなかの風邪」では済まなくなる。さっきまで走り回っていた子がぐったりするさまは、はた目にもつらい▼かつて「子どもは風の子」だった。寒さに負けず外で遊ぼう、丈夫な体をつくれば病気のほうから逃げていくと。されど昨今、赤いほっぺで戯れる姿をめったに見ない。対をなす「大人は火の子」も怪しくなった。お出かけを楽しむ元気な中高年が増えている▼どんどん腰高になるわが人口ピラミッドの、下の方で縮こまる世代を思う。親にも国にも宝物である。あらぬウイルスにいじめられぬよう、いま一度、手洗いはしっかり。冬至を過ぎ、本日から昼は伸びるが、募る寒苦にはしかと備えたい。

PR情報

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

アンケート・特典情報