
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 54551 Content-Type: text/html ETag: "ad637-1f43-4d0fce8a7a1ed" Expires: Sun, 16 Dec 2012 22:21:49 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 16 Dec 2012 22:21:49 GMT Connection: close
![]() 自民党政権復帰 謙虚に実績積み信頼取り戻せ(12月17日付・読売社説)◆民主政権迷走への厳しい懲罰だ◆ 有権者は、民主党政権に極めて厳しい審判を下した。現実路線で安定を望める政権を選択したと言える。 第46回衆院選は、自民党と公明党で320を超える議席を獲得し、政権復帰を決めた。熱気なき圧勝である。 民主党は、議席を激減させ、歴史的敗北を喫した。野田首相は、党代表の辞任を表明した。 2度目の首相就任が確実となった安倍総裁は「自民党に完全に信頼が戻ったということではない」と述べた。自民党は、おごってはならない。経済再生や復興など山積する課題を着実に解決し、信頼を取り戻すことが肝要だ。 ◆維新も国政に影響力◆ 自民党の勝因は、民主党政権に対する有権者の「懲罰」の感情が強く働いたことにある。いわば敵失に助けられた面が大きい。 鳩山内閣の米軍普天間飛行場移設問題を巡る場当たり的対応は政府と沖縄との信頼関係を決定的に壊し、日米同盟も揺るがせた。 菅内閣は、東日本大震災や原発事故処理で迷走した。菅首相は退陣を表明しながら居座り、政治不信は頂点に達した。 野田内閣は、社会保障・税一体改革関連法の成立など、評価できる点はあったが、民主党をまとめ切れず、党分裂を招いた。 3年前の政権交代への期待と失望の落差が、大幅な議席減に表れている。鳩山元首相の不出馬と菅前首相の小選挙区での敗退が象徴的である。 藤村官房長官、城島財務相、樽床総務相、田中文部科学相ら現職閣僚が相次いで落選した。 確たる財源がないのに、子ども手当や高速道路無料化など大衆迎合の政策を盛り込んだ政権公約(マニフェスト)に対する痛烈な批判票が多かったに違いない。 民主党は、与党の経験を踏まえて党を再建させねばならない。 「第3極」を目指した日本維新の会は躍進し、国政への一定の影響力を確保した。石原代表と橋下代表代行の「二枚看板」がアピールしたのだろう。協力関係にあるみんなの党も議席を伸ばした。 日本未来の党は惨敗した。滋賀県の嘉田知事を担ぎ、反増税、脱原発勢力の結集を狙った小沢一郎氏ら民主党離党組の生き残り戦略は、失速を余儀なくされた。 ◆「原発ゼロ」は広がらず◆ 自民党は小選挙区で公明党との選挙協力が奏功した。「第3極」同士が競合する中、漁夫の利を得たとも言える。 自民党の政策が、他党に比べて説得力を持ったこともあろう。 自民党は、デフレ脱却のための大胆な金融緩和や、消費税率引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革の実行を訴えた。 当面は安全性を確認できた原発を再稼働しつつ、時間をかけて最適な電源構成を確立するというエネルギー政策も強調した。「原発ゼロ」は掲げなかった。 日本の安全保障環境が厳しさを増していることも、外交の立て直しを強調した自民党への支持拡大につながったのではないか。 自民党は、公明党と連立政権を組む方針だが、参院では自公両党合わせても過半数に届かない。少なくとも来年夏の参院選までは衆参ねじれ国会が継続する公算が大きい。 一体改革を実現した民自公3党の協調路線を維持し、丁寧に合意形成を図ることが不可欠だ。 自公両党は衆院の3分の2以上の議席を獲得したため、参院で法案が否決されても衆院で再可決できる。だが、強引な政権運営を行えば、次の参院選で民意の揺り戻しを招くという先例がある。謙虚な政権運営を心がけるべきだ。 それにしても郵政解散の2005年衆院選、政権交代が起きた09年、そして今回と、獲得議席の振れ幅の大きさに驚かされる。 ◆選挙制度改革は急務だ◆ 政党の得票率以上に議席数に差が出るのが小選挙区制の特徴だとしても、このままの制度で良いのかという思いを禁じ得ない。 毎回大量の議員が入れ替わるようでは政治が不安定になり、政治主導も発揮しにくい。外交力が弱まるという弊害もある。 今回の衆院選は、最高裁が指摘した「違憲状態」のまま実施されたことも、忘れてはならない。 民自公3党は、来年の通常国会で衆院選挙制度の抜本的な見直しと定数削減について、必要な法整備を行うことを合意している。 現行の小選挙区比例代表並立制の問題点を洗い出し、中選挙区制の復活も含めて、抜本改革に踏み切る必要がある。それが日本の政治を立て直す近道でもあろう。 (2012年12月17日04時01分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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