HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 39460 Content-Type: text/html ETag: "9abaed-211c-67b3a500" Cache-Control: max-age=4 Expires: Thu, 13 Dec 2012 22:21:08 GMT Date: Thu, 13 Dec 2012 22:21:04 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年12月14日(金)付

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 住宅や工場を建てる前に行う儀式が地鎮祭だ。土地の神様をまつり、工事の無事、建造物の安全をお願いする。お米や酒を供えて、関係者がくわを入れる▼日本原子力発電も1966年春、敦賀原発(福井県)の着工時にお祓(はら)いをしたはずだ。なにしろ国内初の軽水炉、若狭湾を囲む「原発銀座」の先駆だった。供え物が足りなかったとは思わないが、鎮めがたい魔物が地に潜んでいた▼後年、敷地を走る浦底断層が、地震で暴れる活断層と判明する。先頃の調査によれば、2号機の下にも浦底に連動する活断層があるらしい。原子炉直下とあっては再稼働はかなわず、廃炉となる公算が大きい。存亡の危機に、同社は動揺を隠せない▼だが希望はある。原発の草分け企業は、廃炉でもパイオニアなのだ。日本初の商用炉、東海原発は98年に発電をやめ、解体作業が進んでいる。敦賀の1号機も運転が40年を超え、先が見えてきた▼2号機も動かせないのなら、経営の軸足を廃炉ビジネスに移してはどうだろう。一つで少なくとも数百億円、数十年もの大事業だ。しかも国内だけで膨大な需要が約束されている。業界が直面する課題に挑むうえで、電力各社が出資する原電は適役といえる▼原発づくりは、地上のなんだかんだに精力を費やすせいか、地中への目配りが十分でなかったようだ。足元の怪しい施設は一つ二つにとどまらず、今さらながら、地震列島に原発大国を築いたことが悔やまれる。国土を守る、大地主神(おおとこぬしのかみ)の渋面を思う。


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