HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 39485 Content-Type: text/html ETag: "1176825-2114-dafeec00" Cache-Control: max-age=1 Expires: Wed, 12 Dec 2012 23:21:06 GMT Date: Wed, 12 Dec 2012 23:21:05 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年12月13日(木)付

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 きのう、2012年12月12日はいわば12の日だった。西暦の年月日が同じ数になる日はもう22世紀までない。この種の並びに無頓着な向きにはどうでもいい話だが、星占いの十二宮(きゅう)で知られる通り、12は「宇宙の秩序」を表す数でもある▼天空の秩序に一枚かもうと考えたのか、北朝鮮が人工衛星と称してミサイルを発射した。10分で沖縄県上空を通過し、ほどなくフィリピン沖に達したという。国営放送は、歓喜に震えるあの調子で「衛星は軌道に乗った」と伝えた▼10〜29日と予告していた期間内では早めの打ち上げだ。自らの選挙に専心したいあまり、「さっさと上げてくれるといい」と放言した官房長官殿が、同じ口で「国民の皆さんは冷静に」と呼びかけた▼春と違い、まともに飛んだように見える。核開発を急ぐ独裁国家がミサイルの力もつけているとなれば、冷静になれる人ばかりではない。それぞれ衆院選、大統領選のさなかの日韓で強硬論が勢いづき、東アジア情勢は険しさを増すかもしれない▼北が軌道に乗せたと誇るモノは、目的で呼ぶなら「挑発衛星」でしかない。それは、国際社会の非難を連れて金王朝の空に戻って来よう。飢えて凍える民をよそに、なけなしの体力でとんがるハリネズミ国家。困ったものだ▼発射から4時間あまり、京都の清水寺で「今年の漢字」が墨書された。ロンドン五輪や金環日食にちなんで「金」だった。めでたく輝く色にすがりたい昨今ではあるが、「金」で曇る年の瀬もある。


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