HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 08 Dec 2012 20:21:09 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: <欲深き人の心と降る雪はつもるにつれて道を忘るる>なんて…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 <欲深き人の心と降る雪はつもるにつれて道を忘るる>なんてことを言いますが…と始まるのは、落語『夢金(ゆめきん)』だ▼寝言でまで「百両欲しい」と叫ぶほど欲深い船頭が大雪の夜、身なりのいい娘を連れた侍を乗せ、川に漕(こ)ぎ出す。侍は船頭の強欲ぶりを見込み、娘を始末して懐にある大金を山分けしようと、持ち掛ける。船頭は機転を利かし娘を助け、親から礼に百両をもらって大喜びする…が、すべては夢の中の出来事というどんでん返しの噺(はなし)だ▼懸命に冬の街を駆け回っている候補者の皆さんが「欲深き人」とは言わないが、どうも道を忘れてはいまいか。このままでは、「夢金」ならぬ「夢票」になるのではないか。そんな心配をしている▼何しろせっかく当選しても、裁判所から無効宣告のどんでん返しをくらうかもしれない。一票の格差を是正せぬまま解散したために、格差は最高裁が「違憲状態」とした前回の総選挙の時よりさらに広がっている▼そもそも解散をめぐって民主、自民、公明は「来年の通常国会までに衆院議員定数の大幅削減を実現」と約束し合った。だが、国会をどう改革するのか、一票の格差をどう是正するか。具体的な方策を公約に示さぬ党が多く、論戦も聞こえてこない▼憲法を変える、という党もある。しかし、違憲状態の国会を自らただす気がなくて、何が改憲か。笑えぬ滑稽噺だ。

 

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