HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52912 Content-Type: text/html ETag: "ae7ee-185e-4d031a6c57d93" Expires: Thu, 06 Dec 2012 21:21:53 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 06 Dec 2012 21:21:53 GMT Connection: close 日欧EPA 早期合意で劣勢を巻き返せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

日欧EPA 早期合意で劣勢を巻き返せ(12月7日付・読売社説)

 日本は経済連携を広げる戦略で韓国に大きく出遅れた。欧州連合(EU)との妥結を急ぎ、劣勢を巻き返す必要がある。

 EUの貿易相理事会が懸案だった日本との経済連携協定(EPA)交渉の開始を決めた。来年早々にも首脳間で正式に合意する予定だ。

 日本からの輸出増を警戒するEUが交渉になかなか同意せず、長い道のりだったが、交渉のテーブルに着くことを歓迎したい。

 ライバルの韓国は、2007年にEUと交渉を始め、昨年7月に自由貿易協定(FTA)を発効させている。鉱工業品などの関税を互いに段階的に引き下げて、5年以内に撤廃する内容だ。

 EUは日本などから輸入する自動車に10%、薄型テレビに14%の高い関税をかけている。これに対し、韓国製品の関税引き下げが始まり、昨年下半期に韓国からの欧州向け自動車輸出が前年同期比で倍増するなど効果は大きい。

 韓国メーカーと競う日本の自動車や家電業界が危機感を強めているのは当然だ。不利な条件を改善するため、政府は対EU交渉を加速すべきである。

 しかし、先行きは不透明だ。

 EUは交渉開始から1年後に、市場開放への日本の取り組みが不十分と判断した場合、交渉を打ち切る方針を示した。日本に大幅譲歩を求める強硬姿勢を警戒しなければならない。

 日本から特定品目の輸入が急増した時、EUは緊急輸入制限措置(セーフガード)導入を検討すると牽制(けんせい)した点も懸念される。

 EUは日本市場への参入を狙って、医療機器などの安全基準の規制緩和や、鉄道・交通分野での政府調達の見直しなど、非関税障壁の改善を要求する構えという。

 通商交渉は、互いに守るべきものを守りながら接点を探り、自由貿易を拡大することが基本だ。日本は非関税障壁の改善を検討し、粘り強く交渉すべきだ。

 EUが日本との交渉に踏み出す背景には、日本が米国の主導する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加に向けて関係国と協議に入ったことがある。TPPに含まれないEUには、日米の動きに強い関心があるのだろう。

 だからこそ、日本はTPPに早期に参加することでEUを揺さぶり、通商交渉の主導権を握る戦略的な取り組みを進めるべきだ。

 自由貿易の拡大で、日本の成長に弾みを付けることが重要だ。日本は積極的な通商政策を推進しなければならない。

2012年12月7日01時32分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です