HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 06 Dec 2012 23:21:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:2012選択(3) 消費増税 本当に避けられないか:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

2012選択(3) 消費増税 本当に避けられないか

 社会保障財源を賄う消費税増税が決まってから初の衆院選です。増税は本当に必要か、先にすべきことがあるのでは。疑問が残るなら撤回を求めるべきです。

 社会保障と税の一体改革を掲げた民主、自民、公明の三党は「消費税を二段階で10%まで上げる」増税関連法を成立させました。税率引き上げによる増収分はすべて年金や医療、介護など社会保障財源に充てると公約しています。

 日本維新の会は、地方重視の視点から「消費税を地方税化し、自治体の財政調整分6%を含む税率11%への引き上げ」を訴えます。これに対し、日本未来の党、社民党、共産党は消費税増税に反対しています。

 増税への疑問で最たるものは、本当に増税は避けられないのかとの本質論です。行政や国会の無駄削減は徹底したのか。自民党政権時代と同じように、民主党も整備新幹線や高速道路など「コンクリート」から離れられなかった。

 国の歳出はとうとう百兆円規模に達しました。五年間で十五兆円も膨張したが、このうち高齢化の進展に対応するのはせいぜい五兆円です。消費税5%引き上げによる増収は約十三兆円ですから、歳出削減を徹底すれば引き上げなしか1%増で済んだはずです。

 政治家も身を切るというなら巨額の政党助成金に切り込んでほしい。中央官僚も、それをチェックすべき国会議員も、私たちの大切な税金を「無駄にしている」と思えるから増税が納得できない。

 増税分が本当に社会保障費に充てられるかも大いに疑問です。復興予算が被災地とは関係ない事業に流用されたようなことが起こらないか。自民、公明は国土強靱(きょうじん)化や減災事業といった巨額の公共投資を公約に挙げていて、消費税の増収分を当て込んではいないか。そんな疑問が払拭(ふっしょく)できません。

 民主党は前回総選挙で「四年間は消費税を上げない」と公約して政権を託されました。だからマニフェスト(政権公約)違反の消費税増税に大義はないのです。

 政府の財政再建目標に従えば、消費税は二〇二〇年にはさらに8%程度の引き上げが必要だといいます。歳出の削減と、歳入を増やすための成長戦略が欠かせないのに、その道筋を描けないまま、安易に消費税引き上げが進むおそれがある。

 今回の投票行動は、財政運営の今後の在り方をも問う大事な意思表示となるのです。

 

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