HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52656 Content-Type: text/html ETag: "10044a-1821-4cf90b7c2f7f1" Expires: Wed, 28 Nov 2012 22:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 28 Nov 2012 22:21:09 GMT Connection: close 就職内定率 新卒者へ一層の支援が必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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就職内定率 新卒者へ一層の支援が必要だ(11月29日付・読売社説)

 「超氷河期」と言われた新卒者の就職事情は、最悪の時期を脱したが、状況は依然厳しい。

 来春卒業予定の大学生の就職内定率は10月1日現在、63・1%だった。東日本大震災の復興需要などで、2年連続で上向いたものの、2008年のリーマン・ショック以前の水準には回復していない。

 今年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)がマイナス成長になり、来年にかけての景気の先行きは不透明だ。今後、企業が採用を抑制する可能性もある。来春の卒業時までに、内定率がどこまで伸びるか、楽観はできない。

 それだけに、政府や各大学は、学生の就職支援に一層力を入れることが大切だ。

 新卒者の大企業志向は根強い一方、魅力的な事業を展開している中小企業に就職し、活路を見いだす若者も少なくない。未内定の学生も、広い視野を持って就職活動に取り組んでほしい。

 厚生労働省は、新卒者らの就職を手助けする「ジョブサポーター」事業を行っている。ハローワークの専門職員が大学に出張し、学生を個別企業に紹介するなど、きめ細かく指導する。この結果、昨年度は16万人余が就職した。

 衆院選の政権公約でも、民主、自民両党は、新卒者の就職率向上を掲げている。

 未就職者を試行的に短期雇用した企業への補助金支給や、ハローワークでの職業相談など、両党が唱える政策の一部は既に実施され、成果を上げ始めている。さらに充実させることが重要だ。

 今春の大卒者のうち、非正規雇用またはアルバイトで職に就いた人と、進学も就職もしていない人は計23%に上った。未就職者がいずれ仕事を見つけても、非正規雇用となる例が多いという。

 非正規労働者は、正社員に比べ賃金水準が低いうえにリストラの対象になりやすい。生活が安定しないため、結婚しない割合も高い。厚生年金が適用されない場合が多く、高齢期に低年金・無年金に陥る恐れもある。

 非正規雇用は企業にとって安価な労働力であり、非正規労働者が正社員になるのは容易ではないのが実情だ。非正規雇用の待遇改善は大きな政策課題である。

 雇用環境を改善するには、人手が必要とされている分野への就職を促すことが求められる。例えば高齢化で需要が伸びている医療・介護分野だ。人材不足の背景には低賃金などの事情がある。介護職員らの待遇改善策も必要だ。

2012年11月29日01時32分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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