HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 29 Nov 2012 03:21:09 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:韓国大統領選 「対日強硬」は変わるか:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

韓国大統領選 「対日強硬」は変わるか

 韓国大統領選がスタートした。島根県・竹島(韓国名・独島)領有権をめぐる対立などで日韓関係は冷え込んでいるが、次の大統領はどう立て直すつもりなのか、隣国の選挙戦も注視したい。

 李明博大統領が八月に竹島に突然上陸し領土論争に火がついた。日本が解決済みとみなす従軍慰安婦問題でも、韓国側は女性に対する人権侵害だと、日本政府による謝罪と補償を求める。

 日韓関係は冷却したまま小康状態にある。外相や財務相の会談など政府間対話は続き、自治体や民間の交流も徐々に回復している。韓国では中国のように、過激な反日デモや日本製品の不買運動は起きていない。

 大統領選の主な争点は経済政策と格差是正など内政だが、底流には戦後の日韓関係をどう位置付け、評価するのかという韓国内の「歴史論争」がある。

 韓国は一九六五年、日本と国交正常化をし、有償、無償計五億ドルの請求権資金を道路やダム、製鉄所などインフラ整備に充てた。植民地支配で受けた被害の個人補償は求めず、竹島領有も密約により棚上げした。決断したのは当時の朴正熙大統領。与党セヌリ党、朴槿恵候補の父である。

 対抗馬の野党、民主統合党の文在寅候補は保守勢力が経済成長を優先した結果、民主主義、人権向上が遅れたと言う。いま大企業だけが繁栄し貧富の差が拡大するのは、軍事政権が進めた開発独裁の産物であり、朴候補は父の負の遺産を引き継いでいると批判する。

 両候補とも竹島の国際司法裁判所(ICJ)提訴を拒否し、慰安婦問題の解決を求めて譲る様子はない。だが、どちらが大統領になるかによって、中長期的な対日外交は異なるとみられる。

 文氏は「新しい秩序のもとで関係を築く」と言う。「歴史の見直し」を掲げた盧武鉉前大統領の側近であり、慰安婦問題や教科書記述で妥協する余地は少なそうだ。

 朴氏は「日本は重要な友好国だ」と明言している。父の業績を全面否定はできないから、歴史の問題を提起しつつも、日中韓自由貿易協定(FTA)推進など経済協力に力を入れるのではないか。

 日韓両国には北朝鮮の核、ミサイルへの対応をはじめ、先端技術開発、さらに少子高齢化や若年層の就職難といった共通の課題がある。未来志向という大きな枠組みの中で、歴史問題を冷静に扱う努力がそれぞれに求められる。

 

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